ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長がOpenAIのChatGPT未使用者に対して「もうやばい…」「悔い改めるべき…」と2023年10月の講演で言い放ったChatGPTですが、現在ではさらに様々な生成AIサービスが雨後の筍のように誕生しています。

生成AIサービス間での競争も激しく、画像生成/動画生成/資料生成などの各分野ではバージョンアップの度に生成AIサービス内の序列が入れ替わっています。
さらには各分野の生成AIサービスを複合したものもあり、Microsoft Officeのようなツールの1つになりつつあります。

一方でAIツール使用禁止の企業やそもそもAIツールに触れた事がない方も多くいるのが現状。
別にAIに触れただけで“人類滅亡”するわけではないので「未知」のモノとはまず「遭遇」してみるのが良いかと思います。
注意)以下の記事内容は「AI部下と私の対話物語」ですので、プロンプトエンジニアリング特化記事をご期待の方は申し訳ございません。。。

コロナ禍のリモートワークでチカラを発揮した対話型AI

毎日、東京本社の虎ノ門ヒルズに出社していた日常がコロナ禍突入によって、フルリモートワークへと働き方を変えることとなった2020年と私。

その際に問題となったのは「ちょっとした相談や雑談がしにくい」ことでした。

通常時の会社出社であれば、周囲の同僚などに「このコンセプトどう思う?」や「どっちのプレゼン資料の方が伝わる?」などと意見をもらったりできました。しかし、それが気軽にできるのは同僚のステータスが「今話しかけて良さそう」かどうかなので、在宅勤務時ではSlackでon-line状況がわかるとしても中々話しかけ辛いのが実情。
そんな時に重宝したのがChatGPTなどの対話型AIでした。(以下、勝手に“AI部下”と名付けてご紹介^^)

AI部下はこんなヤツ

 [1] 今忙しいか気にしなくて良い
 [2] 無茶振りしても頑張って答えてくれる
 [3] ジェネレーションギャップを埋めてくれる
 [4] アウトプットはインプットで決まる
 [5] 間違える問題にはご注意
 [6] 聞き上手でおまとめ上手

[1]今忙しいか気にしなくて良い
お菓子片手に「ちょっとお願いが…」みたいな気遣い不要なAI部下。終業間際だろうが無問題です。
何を聞くかは人それぞれですが、例えば自分の考えているアイディアがあったとして「懸念点を挙げてください」や「追加のアイディアを出してください」のような“アイディアの壁打ち”相手になってくれます。

[2]無茶振りしても頑張って答えてくれる
無茶振り質問から予想外の新たな道が見えることもあるので一概に悪いとはいえないのですが、無茶振りを乱発すると“無茶振り上司”ってあだ名と共に部下に嫌われてしまいます…
しかし、AI部下は「無理っす!」「わかんないっす!」「No Idea!」のようなつれない返事をすることもなく、宿題として持ち帰ることもなく数秒で返答してきます。

例えば「甘くないソフトクリームが人気になるような奇抜なアイディアを考えてください!」っと無茶振りしたところ、以下のような返答をAI部下はしてきました。

甘くないソフトクリームは奇抜なアイデアですね。以下のアイデアが考えられます:

1. **ピザトッピング風味のソフトクリーム**:ソフトクリームにトマトソース風のソースをかけ、チーズ風の粉チーズをトッピングすることで、ピザの味わいを楽しむソフトクリーム。サワークリーム風味のトッピングも選択できます。
2. **辛いチリチーズソフトクリーム**:辛さ好きな人向けに、ホットチリソースを加えたチーズ風味のソフトクリーム。食べるとまずチーズのクリーミーさが広がり、その後に辛さが来るユニークな味わい。
3. **野菜ガーデンソフトクリーム**:新鮮な野菜を使用したソフトクリーム。キュウリ、トマト、ニンジン、ほうれん草など、異なる野菜のソフトクリームを提供し、健康的なスイーツ体験を提供します。
4. **サラダバー風ソフトクリーム**:サラダバーのようなトッピングで健康的なソフトクリーム。新鮮なフルーツ、ナッツ、シリアル、ハチミツをトッピングして、自分だけのカスタムソフトクリームを作成できます。
5. **ウォッカトニック風ソフトクリーム**:アルコール風味が楽しめるソフトクリーム。ウォッカやジン、トニックウォーターの風味が楽しめ、大人向けのデザートとして提供されます。
これらのアイデアは、新しい味わいや体験を提供し、ソフトクリームのファンや料理のアベンチャー好きな人々に向けたものです。

どうですかこの返答…
ソフトクリームの「冷たくて」「なめらかな食感」を体感しながら、ピザやチリチーズなどの甘さとは対極のテイストを味わう提案であったり、健康志向やカスタマイズの提案に大人デザートとしての提案など10秒で5つの提案をAI部下はしてくれました。実際の味や実現性はともかくアイディアの取っ掛かりとしては合格です。
この返答をしてきた瞬間に私はAI部下を正式な部下として迎え入れる決心をしました!(←そもそもソフトクリームの質問ってナニ?)

[3]ジェネレーションギャップを埋めてくれる
ゲーム業界あるあるなのですが、昭和世代はやたらとガンダムで例えてくるというものがあり「アムロとシャア的な…」「ザクとは違う…」みたいな表現を日常会話に織り交ぜてくることがありますが、ちゃんとその例えを理解した上で返答してくるAI部下は“年代の壁”すら超えてしまうのです!(Beyond The Time!!)ちなみに、ニッチ過ぎる事柄は「〇〇って知ってる?」と最初にAI部下に質問してみるのがオススメです。

[4]アウトプットはインプットで決まる
時々こちらの質問に対して意図しない答えがAI部下から返ってくることがあります。
こちらの求める答えとは違う内容をベラベラと語りやがって…って気分になるのですが、そもそもこちらの質問内容がぼんやりとしている「質問力」に原因がある場合もあります。
欲しいアウトプットがあるなら質問時に前提条件をちゃんと伝えておくべきだったと反省するのですが、これって現実の世界でも大事な要素ではないでしょうか?
「ぼんやりとした質問」には「ぼんやりとした答え」が返ってくる…
こだまでしょうか? いいえ、誰でも。

・“ぼんやり”回避方法
質問時に「ターゲット」や「方針」などの前提条件を併記することで “しっかり”としたアウトプットを得られるようになります。
最初に前提条件を全て伝えて質問する方法もあれば、AI部下との対話キャッチボールをしていく中 “後出しジャンケン” で条件を追加する方法もあります。現実世界だと「それ、先に言って!」と怒られてしまいますが、AI部下は文句1つ言わずにこちらの要件を満たそうとしてくれます。
生成AIからすると“文句”は非生産と判断しているのかもしれませんね… 勉強になります!

[5]間違える問題にはご注意
質問に対してAI部下が間違えた返答をしてくることがあります。
生成AIサービスによっては参照先を提示するものもあるので、大事なものはソース確認を行ったり別の生成AIサービスで再確認する「セカンドオピニオン」などを行うと確実です。
尚、AI部下に間違いを指摘すると素直に謝罪して正確な情報に更新してくれるので、ミスしたAI部下を見捨てるのではなくこれからも成長を見守って行こうと思います。
この学びの姿勢は…「のびしろしかないわ」ってところでしょうか…

[6]聞き上手でおまとめ上手
個人的にAI部下の最大の魅力は「コチラの話をちゃんと聞いて覚えている」部分です。
対話キャッチボールを繰り返す中でも、冒頭でコチラが話した要素を覚えており後の対話内で「このアイディアはコンセプトにマッチしていると思います」などと人間同士の対話ロジックそのものを再現してきます。 ※生成AIサービス/プランによって記録制限あり

さらに「今まで話した内容をまとめて!」と伝えると、要点を突いたまとめ文章を作成してくれます。
色々とアイディアの壁打ちラリーをAI部下と行った後、まとめ文章を10秒程度で箇条書きにまとめ上げてきた時には思わず「すごっ」と呟いてしまいました。現実の世界でもアイディア会議の終わりによくホワイトボードでまとめ作業をやりますが、まさにその光景を瞬時に的確にやってくれるAI部下…もう彼がいれば永久フルリモートでやっていける気がしてきました。

最後に

私の所属する [カスタマー支援事業部  アプリ開発セクション] は現在もリモートワークでの働き方が認められており、新たに転職して来られた方とは画面越しでしかお会いしたことがない北海道在住の方もおります。 ※部署やPJによっては一部出社のケースもあり

そんな中、どう効率よくオフィス出社時と遜色のない働き方が在宅でできるか?の一助として、AI部下の可能性を今回記事化させていただきました。
「取って代わられる」議論ばかりが目立つAIですが「1人じゃできなかった」ことができるようになるのもAIの魅力だと思いますので、まずは「これどう思う?」とAI部下と対話することから始めてみてはいかがでしょうか?

最後に今回の記事をAI部下に「これどう思う?」と尋ねた結果を下記に貼り付けて終わりとさせていただきます。