前回『対話型AI「ChatGPT」と対話する“AI部下”のススメ』と題しまして、“生成AIとの向き合い方”を入門編としてお送りいたしましたが、今回は“生成AIとの歩み方”をお送りしたいと思います。
注)本記事内ではChatGPTやGeminiやMicrosoft Copilotなどの対話型AIのほか、画像生成AIのことを“AI部下”と呼称している部分がございますがご了承ください
諦めていたことに手が届く
昨今、様々なサービスによって世界へ打って出ることが容易になりつつあります。
特にコンテンツビジネスでは、個人レベルで開発したインディーゲームを世界へリリースする入口として Steam や Roblox などがあります。(スマホ向けとしては Google Play や App Store など)
また、音楽に関しても Spotify や Apple Music などのサブスク音楽配信サービスへは TuneCore や LANDR などのディストリビューターと呼ばれる音楽配信代行サービスを通して、世界へ配信することが個人でも可能になっています。
ゲーム会社や音楽プロダクションに所属しなくても、個人でコンテンツをリリースできる時代になったのは、いわゆるフィジカルリリースと呼ばれるCDやDVDなどのパッケージ販売がなくても、ネットによるデジタル配信だけで参戦できるハードルの低さが寄与しています。
※A先生は言っていた…
とはいえ各種リリース登録準備は必要
しかし、デジタル配信だとしてもパッケージ画像や各種テキスト情報のリリース登録準備は発生します。
ゲームだとゲーム画面を基にパッケージ画像を制作できるかも知れませんが、音楽の場合はそうも行きません。
「ジャケ買い」の文化はなくなりつつあるとしても、ジャケット画像は音楽再生中に常時表示されている視覚的情報でもあるので、手を抜きたくないところが本音です。
(特に顔出しなしアーティストやボカロPなどは悩みどころ…)
楽曲のイメージにあったロケ地探しもさることながら、そもそも選定/手配/費用と手数がかかるため諦めやすい点ではないでしょうか?
(CGの方が無難ですがお値段もピンキリ…かと言って文字やロゴマークだけだと手抜き感が…)
そんな時にはAI部下に「画像生成」を手伝ってもらいましょう。各種画像生成AIツールの使い方は本記事では割愛しますが、イメージする光景を画像生成AIにプロンプトでリクエストを投げるだけで生成してくれます。
(日本語対応のものはプロンプトと言うよりは要望の羅列を投げるだけでOK!)
生成した画像に不満があれば…ロケ地をフェス会場から渋谷駅前に変えたり、登場モデルを黒髪美女から猫に変えてみたり、雨を降らせたりと自由自在の“言いたい放題”です。
何度もチャレンジし続けて気に入った画像が生成できれば、あとは出来上がった画像にCanvaやパワーポイントなどで曲名/アーティスト名などを追記すれば完成します。
▼ ジャケット画像制作例 ▼
※実写風画像のモデルはAI製のため “好き” になっても会えません… >_<
ちなみに、ジャケット画像のイメージが全く沸いていない場合は曲の歌詞や曲のジャンルをChatGPTに貼りつけて「この歌詞に合う音楽ジャケット画像を考えてください」とアイディアを請う手法もあります。便利ですね。
翻訳テキスト作成の壁
本文冒頭で「世界へ…」と記述していますが、ゲームや音楽を世界へ向けてリリースする場合に課題となるのが翻訳テキストに関してではないでしょうか?名称や説明文を英文に翻訳して記載する必要があるのですが、一般的な翻訳サイトを利用するだけではクリアできない壁が存在します。
特にゲームだとボタンやセリフ表示領域などのUI制限からくる文字数制限が必要になりがちですし、概要テキスト登録時に「○○文字以内で概要を説明したテキストを英語入力」などの文字数制限が存在します。一般的な翻訳サイトでは○○文字以内に翻訳するなどの設定がないため、日本語をそのまま翻訳しただけだと文字数がハマらないことも… こんな時にはAI部下の出番です!
「次の文章を200文字以内の英語に翻訳して」
っと翻訳したいテキストを一緒に貼りつけるだけで200文字以内に仕上げてくれます。この作業はプロの翻訳家やネイティブなお友達がいないと超えられない壁なのですが瞬時にこなしてくれました。
尚、翻訳時にやっていることは「原文の要約」や「ワード言い換え」などによって文字数を削減しているかと思いますが、原文と趣旨がズレてしまっていないかの再チェックは人間側で行う方が安心です。方法はAIが翻訳したテキストを翻訳サイトなどで[英語>>日本語]へ逆変換をしてみて、おかしい表現や要約によって端折られては困る箇所がないか確認すると二重チェックになって良いです。
※段階を踏んだ対話式で翻訳をさせると要約の過程も確認できます
また、ちょっとアレンジした翻訳の仕方としてはターゲットを含めた翻訳がオススメです。例えば子供が読むテキストであれば「子供向けにカジュアルな表現で英語に翻訳して」などとすることで、翻訳サイトでは対応していないテイストの英訳を手に入れることができます。
余談ですが日本語を関西弁に翻訳?させたり、ノリ突っ込みを入れることも可能です。
(クオリティは私未満ですが… :p)
※これをいつ使うのかはアナタ次第です…
チェックをしなければ上司失格デス
とっても便利なAI部下ですが、成果物に誤りが含まれている場合もあるのでチェックが必要です。
とある観光サイトでは「架空の観光スポット」「存在しない人気メニュー」「閉園した遊園地が営業中」などの誤情報が生成AIを使って制作したサイトがリリースされ問題となりました。
この件は「人的確認」がなされていなかったとのことですが、部下のミスが上司の監督責任になるのはリアル部下でもAI部下でも同じです。AI部下任せでラクした分チェックぐらいは頑張りましょう。
(AI上司が出てこないのは“責任”が取れないからかも知れませんね…)
ちなみに、画像生成AIで作られたWEB広告を最近よく見かけますが、指の数がおかしい人間の画像が掲載されてしまっているものを見たことがあるので、利用される方は隅々までチェックしましょう。
▼ 画像生成AI使用例 ▼※チェック中は間違い探しクイズ気分…
AI部下と波乗りライドオン!
今回の記事内には本来は翻訳家にお仕事として依頼していた作業の一部が含まれていますが、想像以上に言語の壁を超える速度はAIによって加速している印象です。
一方、翻訳団体の方からはAI機械翻訳に反対(物語などの知識/経験が必要な翻訳に対して)する声明が出されてもいます。しかし、とある翻訳会社は数十巻ある漫画などを一旦全てAI機械翻訳で行い、その後知見者が添削翻訳することで翻訳のコストダウンとスピードアップに成功した流れもあります。
(リアルタイムに世界が繋がる中、翻訳コストと納期スピードがネックと考えて諦めていた方からの需要は強いようです)
他業種でも「AI点検」「AIデバッグ」「AIスケジュール」などAI部下が働きそれを管理する人間上司の構図が形成され、結果的に「生産性」の向上を達成しています。
AIの波に抗っていてもいずれ飲み込まれるぐらいなら、
その波に「早く」「上手く」乗る方法を考えた方が “より高く前進” できる
と考えるのも現実的で納得感があります。
※イイナミ、キテマスキテマス!
AI部下と歩む先には…
突如 “中途入社” してきたAI部下と共に歩むことで、諦めていたことにも手が届く「守備範囲の広さ」を手にした今、次はどこに手を伸ばそうかと想像しただけで「オラ、ワクワクすっぞ!」状態です。
もし、同じマインドのワクワクさんが他にもいらっしゃいましたら、ぜひアイレットへお声がけくださいませー!
一緒にワクワクワークしましょう!(←ダサッ)
※AIの見え方には個人差があります…