近年、3Dモデル生成AIが数多く出ていますが、何が1番使いやすくて綺麗に生成してくれるかを調べて、2025年3Dモデル生成AIランキングを作ってみました。今回はPart.1に続くPart.2、Part.3と3回に分けてお届けいたしますので、気長に楽しんで見ていただければと思います。評価の主なポイントとしましては、低コスト、使いやすさ、高品質の3点に注目しています。
プロンプトを使って自由に好みの3Dモデルを生成することも可能ですが、ここではほぼ同じプロンプトで生成されたモデルを比較し、それぞれの特徴や傾向を明確にすることで、利用する方が自分に合ったツールを選びやすくなることを目指しています。

3Dモデル生成AIについて※ご存知の方はこの部分を飛ばしていただいても構いません。

今回の検証に先立ち、3Dモデル生成AIについて簡単に説明します。

3Dモデル生成AIとは、AI技術を利用して3Dモデルを自動生成する技術です。従来のモデリング手法とは異なり、AIがデータセットをもとに3D形状やテクスチャ、マテリアル、アニメーションを自動的に生成できる点が特徴です。この技術はディープラーニングや機械学習に基づく生成モデル(例えばGANやVAEなど)を活用し、2D画像やテキスト情報からリアルな3Dオブジェクトを生成することが可能です。3Dモデル生成AIの主な応用分野としては、ゲームや映画といったエンターテインメント業界のほか、建築、製品デザイン、自動車設計などが挙げられます。また、近年は「テキストから3Dモデル生成」といった新しいアプローチも進展しており、ユーザーがテキストで形状や特徴を指定するだけで、その内容に沿った3DモデルをAIが作成できるようになってきました。

3Dモデル生成AIの利点
  • 効率的な3Dモデル作成:手動作成より迅速にモデルが生成可能です。
  • コスト削減:専門的なスキルがなくてもモデルが作成でき、制作コストが削減できます。
  • クリエイティブな実験:AIを活用して新たな形状やデザインを生み出し、創造的な発想を促進します。

ただし、複雑な形状の精密な再現や特定の質感を表現することには課題が残っています。今後、3Dモデル生成AI技術が進化することで、より精度が高くリアルな3Dモデル生成が期待されます。

3Dモデル生成AIプラットフォームの機能紹介

3Dモデル生成AIプラットフォームには、様々な機能が搭載されており、初心者からプロまで幅広いユーザーが効率よく3Dモデルを作成できるように設計されています。以下に、主な機能とその特徴を紹介します。

テキストから3Dモデル生成

 

  • ユーザーがキーワードや簡単な文章を入力すると、それに基づいてAIが3Dモデルを生成します。例えば、「青いドラゴン」や「未来的なスポーツカー」といった指示を出すだけで、AIが自動でイメージに沿った形状や色、テクスチャを生成します。
  • これにより、複雑なモデリング技術を持っていないユーザーでも、簡単にアイデアを3Dモデル化できます。
画像から3Dモデル生成

 

  • 2Dの画像やイラストをアップロードすると、それをもとにAIが3Dモデルに変換する機能です。キャラクターやオブジェクトの画像を入力するだけで、AIがそれに似た3D形状を構築し、基本的な立体感を与えます。
  • 主に、簡単な参考画像からプロトタイプを作成したい場面に役立ちます。
3Dモデルの編集とリファイン

 

  • 自動生成された3Dモデルに対し、ユーザーがディテールを調整するための編集機能が備わっています。例えば、形状の微調整、テクスチャの変更、光沢や透明度の調整などが可能です。
  • 一部のプラットフォームでは、ユーザーが指定したアートスタイルや質感の微細なニュアンスを再現するため、AIがリアルタイムで調整提案をする機能もあります。
アニメーション生成

 

  • 静的な3Dモデルだけでなく、簡単なアニメーションを自動で生成できる機能も提供されています。キャラクターの歩行や表情の変化、オブジェクトの回転など、簡単な動きをAIが予測し、短時間でアニメーション化します。
  • ゲームや映像制作での初期段階で使用するプロトタイピングに役立ちます。
シーンの自動生成

 

  • 3Dモデル単体だけでなく、複数のオブジェクトを組み合わせたシーンや背景の自動生成も可能です。例えば、森林、都市、宇宙空間といったテーマに応じて、AIが適切なオブジェクトやライティング、環境設定を提案・生成します。
  • これにより、モデルと背景の一貫した空間が作りやすく、アニメーションやシミュレーションに適した環境が構築されます。
マテリアルとテクスチャの自動生成

 

  • 3Dモデルにリアリティを与えるためのテクスチャやマテリアル(材質)の自動生成機能です。木材、金属、ガラスなどの素材感を持つテクスチャをAIが生成し、モデルに割り当てることができます。
  • 高精度なテクスチャが必要な場合には、フォトリアルな質感や、トゥーンシェーダー風のアニメ調質感なども選べる柔軟性があります。
クラウドベースのコラボレーション機能

 

  • プラットフォームによっては、複数人での同時編集や、チームでのフィードバックを容易にするコラボレーション機能も提供されています。作業履歴やコメント機能を使い、チーム全員がモデルの編集状況やフィードバックを共有できる仕組みです。
  • プロジェクトの進行をスムーズにするため、リアルタイムでモデルをレビューできる機能も便利です。
エクスポートと互換性

 

  • 作成した3Dモデルは、FBX、OBJ、STLなど、業界標準のファイル形式でエクスポート可能です。これにより、他の3Dソフトウェアやゲームエンジン(Unity、Unreal Engineなど)での利用もスムーズに行えます。
  • また、Web用やVR/AR向けに軽量化されたモデルでのエクスポートも対応しているため、多様なデバイスでの活用も可能です。
AIによるスタイル転送

 

  • 特定のアートスタイルを3Dモデルに適用するための「スタイル転送」機能が利用できます。たとえば、印象派風、サイバーパンク風、手描き風といったアートスタイルをAIが解析し、それを3Dモデルに反映します。
  • これにより、特定のビジュアルテーマに沿ったデザインを短時間で構築できるため、デザインコンセプトの一貫性が保たれます。
AI学習データのカスタマイズ

 

  • ユーザーが独自のデータセットをAIに学習させることで、特定のスタイルやデザインパターンに合わせたモデルを生成する機能です。企業のオリジナルキャラクターや特定の美術スタイルに準拠したモデル生成を行うために、オリジナルデータを追加して学習させることもできます。

このような機能により、3Dモデル生成AIプラットフォームは3Dコンテンツの制作を効率化し、クリエイターが短時間で高品質な3Dモデルを制作する手助けをしています。

今回取り上げる4種の3Dモデル生成AIプラットフォームの紹介

本記事で、比較する4種の3Dモデル生成AIプラットフォームを簡単に紹介します。

3D AI Studio

「3D AI Studio」は、生成AI(Generative AI)技術を利用して、効率的に3Dモデルを作成できるプラットフォームです。主に「生成的敵対ネットワーク(GAN)」や「拡散モデル(Diffusion Models)」を活用しており、初心者からプロの3Dクリエイターまで幅広いユーザー層をサポートしています。

※生成的敵対ネットワーク(GAN)
生成器と識別器の2つのネットワークを用いて、新しいデータやモデルを生成する手法です。これにより、テキストや画像データから高品質な3Dモデルの生成が可能です。
※拡散モデル(Diffusion Models)

ノイズを基に新しい画像や3Dオブジェクトを生成する手法で、より精細でリアルなアートや3Dモデルの生成に適しています。  

主な機能

テキストからの3Dモデル生成、2D画像から3Dモデルの生成、3Dモデルの高度な編集ツール、アニメーションの自動生成、マテリアルとテクスチャの生成と適用、スタイル転送機能、リアルタイムでのクラウド共有とコラボレーション、エクスポートオプションの多様性を提供しています。

利点
  • 制作時間の短縮
    複雑な3Dモデルも数クリックで生成でき、従来の制作方法に比べて大幅に時間を短縮します。
  • アイデアの迅速な具現化
    テキストや画像で直接アイデアを入力することで、AIが迅速に形にするため、クリエイティブな発想を即座に実現できます。
  • 柔軟なカスタマイズ性
    自動生成されたモデルに対しても詳細な調整が可能で、独自のビジュアルスタイルや細部までカスタマイズが行えます。
代表的な利用シーン

ゲーム開発や映像制作、製品デザインやプロトタイピング、教育やトレーニング

null

出典:3D AI Studio

このように、「3D AI Studio」は効率的かつクリエイティブな3D制作をサポートする強力なツールであり、特に初期のアイデアやプロトタイプ制作から本格的なモデル制作まで、幅広い用途で活用されています。


Tripo AI

Tripo AIは、深層学習技術を活用して、テキストや画像から3Dモデルを生成するプラットフォームです。特に、生成型AIアルゴリズムを使用して、ユーザーが入力したテキストや画像から空間的な関係、テクスチャ、デザイン要素を理解し、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーの3D制作をサポートしています。過去半年で大きな進化を遂げ、クオリティが向上し、動的な3Dモデルを作成できるようになりました。また、Stability AIとの協力により、単一画像から高速に3Dモデルを再構築するオープンソースツールTripo SRもリリースしています。

主な機能

テキストからの3Dモデル生成、リアルなテクスチャとマテリアルの適用、画像ベースの3D生成、アニメーション機能、インタラクティブな3Dプレビューと編集、生成された3DモデルをARやVRで確認するための対応機能

利点
  • 迅速なプロトタイピング: 簡単な入力で高品質な3Dモデルを自動生成し、迅速なプロトタイピングを実現します。
  • AR/VRでの可視化: 実空間や仮想空間でモデルを視覚化でき、デザインやプロジェクトの初期段階で活用可能です。
  • 使いやすさ: 初心者でもプロでも扱いやすいインターフェースを提供します。
代表的な利用シーン

プロダクトデザインと試作品のプロトタイピング、ゲーム開発、建築とインテリアデザイン、教育とトレーニング、eコマースとマーケティング、医療と科学分野

Tripo_AI

出典:Tripo AI

「Tripo AI」は、リアルな3Dモデルを簡単に生成・カスタマイズできるため、プロトタイプ作成、プレゼンテーション、教育ツールなど、様々な用途で活用され、視覚的に説得力のある体験を提供します。


Common Sense Machines (CSM)

Common Sense Machines (CSM)は、生成AI技術を使用して、テキストや2D画像から3Dアセットを自動生成するAIプラットフォームです。主に使用されている技術としては、生成的敵対ネットワーク(GANs)拡散モデル(Diffusion Models)があり、これらの最新AI手法を活用しています。これにより、コンピュータは与えられたデータを学習し、リアルな3Dコンテンツを生成します。

主な機能

テキストから3Dモデルの生成、2D画像から3Dモデルの生成、アニメーション機能、クラウドベースの処理能力、インタラクティブな3D環境の構築

利点
  • 迅速な3Dモデル生成: テキストや画像から短時間で高品質な3Dモデルを生成でき、スピーディなプロジェクト展開が可能です。
  • 専門的スキル不要: 専門的な3Dモデリングスキルがなくても、誰でも簡単に3Dコンテンツを作成可能です。
  • コストと時間の削減: 従来の手作業によるモデリング作業に比べ、コストや時間を大幅に削減できます。
  • スケーラブルなインフラ: クラウドベースでスケーラブルなインフラを提供し、大規模プロジェクトにも対応します。
代表的な利用シーン

ゲーム開発、製造業とプロトタイピング、VR/ARコンテンツ制作、教育と研究


Meshy

Meshyは、生成型AIと深層学習技術を活用して、テキストや画像から自動的に3Dモデルを生成するプラットフォームです。生成的敵対ネットワーク(GANs)や拡散モデル(Diffusion Models)、深層畳み込みニューラルネットワーク(CNNs)を使用して、2D画像を基に3D構造を生成する技術を提供しています。また、リギング機能を備えており、3Dモデルに動きを付けることも可能です。さらに、リアルなテクスチャやメッシュの生成もAIによってサポートされており、BlenderやUnityなどの一般的なツールとシームレスに連携できます。Meshyは、特に環境アートやプロップ(小道具)制作に特化しており、効率的なワークフローを提供しています。これにより、デザイナーやアーティストがより迅速に制作を行えるようサポートしています。

主な機能

テキストから3Dモデル生成、2D画像から3Dモデルの生成、アニメーションおよびリギング、高度なテクスチャとメッシュ生成、既存ツールとのシームレスな統合(BlenderやUnityなどの3Dツールと簡単に統合できるため、他のプラットフォームへのエクスポートや編集が容易です)

利点
  • 効率性: テキストや画像から高品質な3Dモデルを迅速に生成でき、プロトタイピングが容易です。
  • 使いやすさ: 初心者にも優しいインターフェースを提供します。
  • 柔軟性: ゲーム開発、VR/ARコンテンツ制作、プロダクトデザイン、建築ビジュアライゼーションなど、さまざまな分野で活用可能です。
代表的な利用シーン

ゲーム開発、VR/ARコンテンツ制作、プロダクトデザインとプロトタイピング、建築ビジュアライゼーション

meshy_ai

出典:Meshy

評価基準の内容

評価基準を設定し、生成された3Dモデルの全体的な評価を行いたいと思います。

※今回の評価基準は、プロンプトによるモデリング、テクスチャ、およびテイストに重点を置いています。リギングやアニメーションについてはオプションとして評価しています。


第2弾では、上記を基に評価していきたいと思います。