オープニング
皆さんはリレーショナルデータベースに何をご利用でしょうか?
PostgreSQL?Oracle Database?MySQL/MariaDB?それともMicrosoft SQL Serverでしょうか。
もし、今現在オンプレミス環境にてOracle Databaseをお使いならご提案がございます。
AWSにてデータベースの活用を行ってみませんか。
この記事では移行にまつわる問題に対して、「AWS Innovate: Migrate and Modernize」にて得たいくつかの手段をご紹介いたします。
AWSの特徴
Oracleに限らず、多くのお客様が「クラウド」と聞くとまず初めにAWSを検討されるのではないでしょうか。
多くのお客様がAWSを選ぶ理由は以下七つです。
- 俊敏なリソース確保とスタッフ一人一人の生産性向上
- 初期投資が少ない
- コスト削減ができる
- デジタルトランスフォーメーション(レガシーシステムからの改変)
- loTやAIといった新サービスを利用できる
- セキュリティ強化しやすい
- グローバル展開しやすい
上記の理由はAWSの特徴を大いに活用したものになります。
1や7はクラウドの特徴である俊敏性とグローバルリージョンなサービス展開によるところが大きいです。
2や3は、AWSが従量課金性を採用しており、初期コストはオンプレミスより抑えめにすることができることに由来します。
4や6に関しては、AWSはまず第一にセキュリティーを重視することに由来します。
5に関してはAWS内のサービスを利用して、これまでオンプレミスでは新規導入が容易ではなかったML分析やGen AIの利用が容易にできることを示唆します。
それではなぜ、AWSへOracleワークロード※を移行することがおすすめなのか解説します。
※Oracleワークロード: Oracle提供のデータベースまたはPDBで実行するSQL文のセット
本編ではAWS内でOracle DatabaseやPDB(Pluggable Database)を区別せずまとめて取り扱います。
そのため、Oracle DatabaseやPDB(Pluggable Database)=Oracleワークロードと読み替えています。
Oracleワークロードを移行する選択肢とは
AWSではOracleワークロードを移行し移行先のサービスを選ぶ際、複数のモダナイゼーション手段を用意しています。
オンプレミスからデータベースを移行してモダナイゼーションしていく手段は3種類ございます。
リホストとリプラットフォーム、リファクタリングです。

リホストとは、オンプレミス環境のデータベースやサーバ設定をそのままクラウドに移行することです。
メリットは改修作業が最小限で済むこと
デメリットは、オンプレミス同様、管理の手間が必要なことです。
リプラットフォームは、マネージドサービスを使えるよう最小限の変更や代替を行う方法です。
メリットは、自動スケーリングが行えること、メンテナンス負荷の減少があります。
デメリットは、現行システムとは代替になる部分があることです。
リファクタリングとは、コードやデータベースを一新し、外部の動作を変えずにプログラムの内部構造を改善する作業です。ライセンス数を削減したり、クラウドに最適化した内部構造に変えることができます。
メリットは、ライセンス費用の削減や数量を減少させられること
デメリットは、現行システムとは代替になる部分があることです。
OracleワークロードをAWSに移行した場合、上記のリホスト、リプラットフォーム、リファクタリングにあたるサービスは以下になります。
Oracle on Amazon EC2
リホストにあたるサービスです。
「Oracle on Amazon EC2」は、EC2インスタンスにOracleワークロードのデータベース構造を載せ替えることで従来と同じようにOracleワークロードを利用できるようにします。
メリットは、迅速な移行、すでにあるライセンスの利用できること、お客様側でOSアクセスなどを制御できることが挙げられます。
デメリットは、バックアップ設定やパッチ管理といったメンテナンス作業をお客様ご自身で管理する必要があることです。
Oracle Database@AWS
リホストにあたるサービスです。
Oracleワークロードの中でExadataに依存していた大規模なデータベースを移行できます。
Exadata
Exadata:Oracle Database性能を最大化するためのシステム。データベースサーバやストレージネットワーク機能を一体化している。
Amazon RDS for Oracle/Amazon RDS Custom for Oracle

リプラットフォームにあたるサービスです。
「Amazon RDS for Oracle」は、フルマネージド型データベースです。
バックアップ、ソフトウェアのパッチ適用、自動スケーリングを可能にします。
メリットは、主に以下5つです。
- ハードウェアやソフトウェアの組み込みが簡単
- 組み込み式のモニタリングが可能
- スケーリングが簡単にできる
- 自動バックアップ機能あり・自動レプリケーション機能あり
・データ暗号化を保証
デメリットは、OSへのアクセス管理や個別パッチの管理ができない点、ライセンス込み (LI)の場合のOracleライセンスは、「Oracle Database Standard Edition 2(SE2)」のみである点が挙げられます。
ライセンスを持ち込むことも可能です。
この場合、AWSサービスはOracle Database Standard Edition 2(SE2)、Oracle Database Standard Edition (EE)に対応します。ただし、マルチAZにする場合プライマリインスタンス、セカンダリインスタンスそれぞれにライセンスが必要です。
「Amazon RDS Custom for Oracle」は、OSへのアクセスやOracleへの個別パッチの適用をお客様側でコントロールしたい際に最適です。
メリットは、メンテナンス負荷を下げながらお客様のコントロール範囲を増やせることです。
デメリットとして、お客様ご自身でライセンスの持ち込みを行う必要があります。
Amazon Aurora PostgreSQL
リファクタリングにあたるサービスです。
「Amazon Aurora PostgreSQL」は、PostgreSQLと互換性があり、高速な処理と可用性、耐障害性に優れたところがメリットです。
AWSでOracleを活用しよう
Oracleワークロードを移行する時、ワークロードの評価は欠かせません。
例えば、技術的要件であれば評価基準はビジネス影響や構成情報などが挙げられます。
ビジネス目標の観点からは、移行によるダウンタイムなどが挙げられます。
ライセンス要件では、ライセンスの数やコストについて評価が必要です。

ここまでの話で、「Oracleワークロードの評価を行い、移行する先のサービスまで決められた。
けれどじゃあ実際どうやってできるだけダウンタイムなく移行するのか?」疑問に思われた方もいらっしゃるのでは。
移行する手段としては2種類ございます。
- AWS Database Migration Service
- EFSを使ったファイルの転送
AWS Database Migration Serviceを使った移行に関してはこちらもあわせてご確認いただくと便利です。
まとめ
今回は、OracleユーザーがなぜAWSをご利用になるのか?モダナイゼーションとは?をお伝えしました。
OracleDatabaseをご利用のユーザーがAWSを利用するのは、主に以下の理由でした。
・迅速なリソース確保やグローバル展開
・初期投資を含めたコストダウン
・新サービスの利用
モダナイゼーションと各サービスの組み合わせを簡単にまとめると以下のようになっていました。
- リホスト:Amazon EC2、Oracle Database@AWS
- リプラットフォーム:Amazon RDS for Oracle
- リファクタリング:Amazon Aurora PostgreSQL
AWSはPostgreSQLやMySQLはもちろん、OracleDatabaseをネイティブにサポートするOracle Database@AWSなど様々なデータベース移行に使用されています。
また、データベースをクラウド利用する際、リファクタリングやリプラットフォームを行うと、これまで手動で行っていた作業をAWS Lamdaなどと合わせて利用することで自動化することが可能になります。
最後に、弊社の紹介をさせてください。
アイレットは、AWS プレミアティアサービスパートナーのひとつです。
移行、構築はもちろん、運用保守、請求代行まで幅広くサービスを提供するcloudpackというサービスを提供しています。
移行と移行後の保守運用に関する相談はぜひアイレットへ。