はじめに
エンタープライズクラウド事業部の高橋です。
先日、Oracle AI World 2025に現地参加してきました。
今回は、「What’s New in the Optimizer for Oracle AI Database 26ai?」に参加しましたので、内容を紹介します。
セッション概要
What’s New in the Optimizer for Oracle AI Database 26ai? [LRN1427]
This session covers everything new in the Oracle Optimizer and is suitable for developers, DBAs, and database architects. You’ll learn about advanced execution plan management features to resolve performance regressions automatically, new optimization techniques, and developer-friendly features for improved query design and diagnostics. The focus is on Oracle AI Database 26ai, but the session includes information on what has been backported to Oracle AI Database 19c, so you’ll be able to take advantage of some of these new developments earlier than you think.
このセッションでは、Oracle Optimizerの新機能をすべて網羅し、開発者、DBA、データベース・アーキテクトの方々に最適です。パフォーマンス低下を自動的に解決する高度な実行計画管理機能、新しい最適化手法、そしてクエリ設計と診断を改善する開発者向け機能について学びます。本セッションではOracle AI Database 26aiに焦点を当てますが、Oracle AI Database 19cにバックポートされた機能についても解説しますので、これらの新機能を思いのほか早く活用できるようになります。
Nigel Bayliss, Optimizer Product Manager, Oracle
セッション内容
Oracle Database Optimizer(オプティマイザ)によって、SQL診断レポートやSPMを導入することによるSQLパフォーマンスの管理についてが主なテーマでした。

OracleのOptimizerチームがどのようなツール改善を行なっているか紹介がありました。
DBMS_EXPLAINは、SQL文の実行計画をキャプチャし、より詳細な情報を取得する機能を提供しています。
キャプチャ結果にSQLステートメントの潜在的な問題点をリスト表示することが可能です。
リストは今後も拡張される可能性があるとのことでしたので、将来的にも使いやすさやできることの幅が広がりそうですね。
SQL HCも改良が行われており、SQLステートメントの統計や履歴データの確認が可能で、今後もアップデート予定とのことでした。

SPM(SQL Plan Management)についての紹介もされてました。
SPMはSQL文の実行計画を管理し、実行計画の変更によるパフォーマンスの劣化を防ぐ等の機能です。
以前のSPMは、実行計画の検証までに遅延が発生するという課題がありますが、解決のためリアルタイムSPMが導入されました。
SQLが入力され、新しいプランへの変更を検出し、フォアグラウンドで実行することにより、すぐに過去の実行実績と比較が行われ遅延の削減が可能という話がありました。

OptimizerはSPM以外にも自動化機能を提供しています。
- 自動エラー軽減機能
エラー発生時、自動で対象SQLの原因となっている機能の無効化やOptimizer設定を変更するSQLパッチを適用します。
Oracle Autonomous AI Databaseは自動機能への移行が進行中のため、今後のアップデートに期待です。


コンパイル時のORA-600が発生した際の修復にも役立てることが可能とのことです。
エラー時に修復するためのSQLパッチの提供があるため、エラー発生から解決までが早くなりそうです。
運用時に加え開発期間でも役立つ機能だと思います。
まとめ
19cでも利用可能な機能ですが、機能追加や機能拡張が進んでおり、力を入れているサービスだという印象を受けました。
AIによる自動修正は、データベースの運用コストの削減に役立てそうです。
AI機能のパフォーマンス向上のための改良作業も進行しているとのことでしたので、今後の発表にも期待しています!