デザイン事業部でディレクターをしている田邊です。
私は今期自社サイトのアクセシビリティ改修に携わったのですが、そこで学んだことについて書きたいと思います。

✅理想と現実のバランス

今回行ったアクセシビリティ対応とは、以下の2工程になっています。

  • 現在のサイトがアクセシビリティガイドラインにどのくらい準拠しているか診断を行う
  • そこで明らかになった不適合箇所を、適合になるよう改修する

私はこれまで最初の診断は業務で行ったことがあるのですが、改修対応は初めてでした。
そのため改修を始める当初の考えは、以下のような思いが強かったです。

  • ガイドライン(JIS/WCAG)は絶対。ガイドラインの内容はマストで準拠しなければ、不適合になってしまう。
  • せっかく改修するのだから、適合にしなきゃいけない!

ただ実際に作業を進めていくと、こんな壁に直面していきました。

  • 修正が必要な箇所が多すぎる
  • 追求するほど修正の終わりが見えない
  • 他部署にも無理なお願いが増えていく…

本当にここまで修正が必要だっけ?と混乱することもしばしばありました。

✅実際にぶつかった2つの壁

具体的に現場でどのような壁にぶつかったかお話ししていきます。

1.改修方法の裏付け

アクセシビリティガイドライン通りに直さなきゃとこだわり、解読が難しいガイドラインに対し、「この直し方で適合と言えるか?」「このパターンに対してはどう対処すべきか?」と常に裏付けなどに時間をかけていました。
また1つ直すと、見えていなかったバグが出たり、別の場所や特定のスマホだけで崩れが出る…という連鎖が発生するので、またどう直すべきか・・・と確認事項が増えてしまいます。
今思うと、細部にこだわりすぎた結果、本来の目的である「使いやすさを広めること」の優先度を下げていたように感じています。

2.運用の持続性

ニュース記事などを投稿してくれている他部署にも、アクセシビリティルールを守った内容で投稿をお願いする必要があります。このとき完璧を求めすぎてしまうと負荷をかけすぎてしまいそうになりました。
この時、それでも不適合なものを出してはいけないという考えだったのですが、後に以下が大切であることがわかりました。

💡投稿が滞ってしまうほどの過度の負担が発生してしまう場合、アクセシビリティの意図に沿っていない
💡アクセシビリティは一回やって終わりではなくずっと続けていくもののため、現場が無理なく続けられるバランスが大事

✅公式が掲げる進め方のポイント

実際にJIS/WCAGでは以下のように掲げています。

🚩段階的に進めるべし

一気に全部完璧にする必要はない、とされています。大事なページから少しずつ進める方法が認められています。

🚩合理的配慮(過度な負担にならない範囲)でよい

法律でも業務が止まるほどの修正は、かえって本末転倒であり、無理な負担をかけすぎないことが大事とされています。

🚩「宣言」すればOK

「今はここまで。残りはいつかやります」と正直に公表すればOK。現状をちゃんと把握して伝えること自体が誠実な対応に繋がります。

✅今回学んだ、実務におけるアクセシビリティ対応の考え方

私が今回一番納得したポイントは、「一部を完璧にして、対応できなかったところが0点(非対応)になってしまうより、70点(一部準拠)でも改善をすべてのページに広めるほうが、結果としてたくさんの人が使いやすいと感じる」という内容です。
アクセシビリティの本来の目的は使いやすさを広めること。
ルールを守ることをゴールにせず、みんなの使いやすさを優先することが大切だと学びました。
この点を意識して、今後もアクセシビリティの改善に携わっていきたいです。