はじめに

Google Cloudコスト最適化の第一歩として、「コストの見える化」をテーマにハンズオン形式で解説したいと思います。

「何に・いくら・なぜ使っているのか」が分からない状態では、どこを削ればいいのか判断できません。

そのため、コスト最適化の第一歩は「全体像の把握(見える化)」なのです。

この記事でやること

  1. Cloud Billing レポートでコストの傾向を確認する
  2. ラベルを付けてコストの「持ち主」を明確にする
  3. 予算アラートで異常な支出に気づける状態を作る
  4. FinOps ハブと Anomaliesを知る

1. Cloud Billing レポートでコストを確認しよう

手順

  1. Google Cloud コンソール にログイン
  2. ナビゲーションメニュー → 「お支払い」 を選択
  3. 左メニューから 「レポート」 をクリック

レポートで確認すべき3つのポイント

① 今月いくら使っているか、傾向はどうか 。右肩上がりに増えていないか、まず全体の確認をしましょう。

② どのプロジェクトが一番コストがかかっているか 。上部のフィルタパネルで 「プロジェクト」 を選択すると、プロジェクト別の内訳が見えます。組織やフォルダ単位で管理している場合は「フォルダと組織」でグループ化すると、部門ごとのコスト分析ができます。

③ どのサービスにコストがかかっているか 「グループ条件」を 「サービス」 に変更すると、Compute Engine、BigQuery、Cloud Storage など、サービス別の内訳が確認できます。

Tips:カスタマイズしたレポートビューは保存・共有ができ、CSV でダウンロードすることも可能です。チームで定期的に見る場合は、ビューを保存しておくと便利です。

GeminiなどのAIが使用できる方はレポートをCSVでダウンロードして、分析してもらいましょう。

3.6 Thinkingを使用して、以下の指示をだしました。

GoogleCloudのコストレポートです。

以下の観点で調査をしてください。

① 今月いくら使っているか、傾向はどうか

② どのプロジェクトが一番コストがかかっているか

③ どのサービスにコストがかかっているか

※一部抜粋

このようにGeminiなどのAIの力を借りて、効率的に調査をすすめることもできます。

まずは抽象的な指示から全体像を把握し、気になる箇所を具体的な質問で深堀りしていきましょう。

※実際のレポートと比較して、情報が正しいか必ず確認しましょう。

2. ラベルでコストの「持ち主」を明確にしよう

プロジェクトやサービス単位の把握ができたら、次は ラベルを使って、より細かい粒度でコストを追跡できるようにします。

ラベルとは、リソースに付けられる Key-Value 形式のメタデータです。例えば以下のように付けます。

Key Value 用途
env prod/dev 環境別のコスト
team backend/data チーム別のコスト
app ec/phone アプリケーション別のコスト

手順(Compute Engine VM の例)

  1. Compute Engine → VM インスタンス → 対象インスタンスを選択
  2. 「編集」→ 「ラベル」セクションで Key-Value を追加
  3. 保存

 

gcloud コマンドの場合:

gcloud compute instances update my-instance \
  --update-labels=env=dev

ラベル別にコストを見る

ラベルを付けた翌日以降、Billing レポートのフィルタで 「ラベル」 を指定すると、「env=dev のリソースに月いくらかかっているか」といった分析ができるようになります。

3. 予算アラートを設定しよう

見える化の仕上げは、「見に行かなくても異常に気づける」状態 を作ることです。予算とアラートを設定しましょう。

手順

  1. 「お支払い」→ 「予算とアラート」 → 「Create budget」
  2. 予算名を入力(例:monthly-budget-dev)
  3. 対象範囲を選択(請求先アカウント全体 or 特定プロジェクト)
  4. 予算額を入力
  5. しきい値を設定(デフォルトで 50% / 90% / 100% の3段階)
  6. 通知先を確認して「終了」

これで、予算の 50%・90%・100% に達した時点でメール通知が届きます。

個人の学習用アカウントなら低めに設定しておくと、消し忘れリソースに早く気づけます。

4. さらに見える化を進めたい人へ

FinOps ハブ

「お支払い」内にある FinOps ハブ は、コスト最適化の状況をスコア化してくれるダッシュボードです。

支出のモニタリング、ラベルによるコスト配賦、アイドルリソースの停止、予算の作成といったベストプラクティスの実践度に基づいて FinOps スコア が算出され、推奨アクションも提示してくれます。

Anomalies

過去の支出パターンと比較して、想定外のコスト急増(異常)を自動検出してくれる機能です。

予算アラートと合わせて確認する習慣をつけると安心です。

私の検証アカウントでは異常がないので表示されていませんが、検出されればここに表示されます。

まとめ

Google Cloud のコスト見える化は、次の3ステップで今日から始められます。

  1. Billing レポート で「何に・いくら」を把握する
  2. ラベル で「誰が・何のために」を明確にする
  3. 予算アラート で「異常に気づける」状態を作る

上記を設定しておけば、思わぬ請求に早めに気づき、被害を最小限に抑えることができます。

見える化ができて初めて、「このリソースは削減できそう」「割引プランを検討しよう」といった次の最適化アクションに進めます。

まずは5分、Billing レポートを開くところから始めてみてはいかがでしょうか。