はじめに
こんにちは、広島からリモートワークしている廣田(@hiropon1839)です。
2023/10/8(日)に開催されたJAWS-UG広島21回目@酒まつりに参加してきました!
広島の西条は「日本三大酒どころ」と言われています。
そんな西条での酒まつりに合わせて、JAWS-UG広島が開催されました!
JAWS-UGとは?
AWS ユーザーが運営するコミュニティです。
JAWS-UG とは、AWS Users Group – Japan の頭文字をつなげた言葉で、 AWS を利用する人々の集まり(コミュニティ)です。一人ではできない学びや交流を目的としてボランティアによる勉強会の開催や交流イベントなどを行なっています。
私たちは日本全国に「支部」の形でグループを持ち、それぞれのテーマに基づいて活動を行なっています。
このコミュニティーは、非営利目的で活動しています。
https://aws.amazon.com/jp/campaigns/manga/vol11-1/より引用
オープニング
酒まつりだ。うぇぇええええい!!
13時からのセミナースタートでしたが、酒まつりは10時から開催されているということで、
すでに飲んで参加されている方も多く、最初から盛り上がりました。
登壇者目線でのオンライン開催とオフライン開催の違いを解説していただきました。
- オンライン
- 登壇しても予行演習のようでモチベーションがあがりづらい、参加者の反応も見えない
- 視聴者数は多いが、とりあえず参加だけしているモチベーション低めの人も多い
- オフライン
- みんなの前で登壇、達成感MAX!
- 新しい出会いがあり、交流もできる!
「久しぶりのオフラインイベントなので、交流していきましょう!」
「来年のJAWS FESTAは広島で開催するぞ!」という宣言(?)も飛び出しました。
対談セッション:武闘派CIOが見る夢
1960年代、「音楽が世界を変える」というのが当時の若者にとって共通言語であり、社会運動だった。
やがて「音楽が世界を変える」という認識は薄れていってしまったが、代わりに若者たちは現代のオープンソースコミュニティに似た思想を発達させていき、今日では、「テクノロジーが世界を変える」というのが共通言語になった。
コミュニティというのは社会運動であり、世界を変えるもの。
社会運動の波が広島にも来た。ぜひ波に乗ってほしい=積極的に参加して欲しい。
というメッセージではじまりました。
参加者の質問を広げてお話しされるセッション形式でした。
「地方中小事業会社がどうすればエンジニアを採用できるか?地方中小事業会社でのエンジニアの待遇を上げるには?」という質問をさせていただきました。『エンジニアの待遇が上がる→エンジニアが採用できる』なのか、『エンジニアが事業会社の中で価値を高める→待遇が上がる』なのか、鶏が先か卵が先か、という話はよくされます。今回は短い時間でしたので一旦の結論は、
- 「エンジニア採用のために●円必要、だけど●円以上利益が出る」ということを経営陣に納得させる(説明し尽くす)
- 地方からも働ける待遇の良い会社に転職する(!?)
となりました。
懇親会では喜多羅さんに延長戦もしていただきましたが、「待遇が上げられないなら社内人材を育てる」→「育ったら待遇の良い企業に転職されてしまうのでは?」→「それくらいのリスクを恐れていては何も変えられない」などなど、ヒントはいくつかいただけました。
地方にいる自分としてはなんとか地方中小事業会社がITを上手に活用できるような仕組みを作ることができないかなぁと時々考えています。
AWSでひっくり返ったエンジニア経歴
コープさっぽろの中内さん
北海道からわざわざお越しいただきました。
AWSとの出会いと転職についてお話しいただきました。
- AWSと出会う前
- 銀行案件で覚えたCOBOL→証券案件でも役に立った
- 銀行案件きっかけで会計を理解→SAPに手を付ける
- SAPやっていた→小売・卸のシステム提案にアサインされる
- 学生の頃からいろいろなソースを読み書き→PoC案件にアサインされる
- Javaの資格を持っていた→(なぜか)TypeScriptメインのSPA案件にアサインされる
など、
点と点が線にはなるが、面にはならないキャリアだった。
そんな中、世間ではAWSが流行り始めます。
しかし、社内ではまだ使われていない、新規で利用してみるという案件も始まらない。
「そっちから来ないなら自分から会いにいこう」
ということで、
JAWS DAYS2016に参加。その熱気に当てられ、後の転職へと繋がっていきます。
転職サイトに登録しても、これまでのキャリアと同じようなスカウトばかり。
「そっちから来ないなら自分から会いにいこう」(その2)
ということで、小売DX企業、武闘派CIO 長谷川さん率いるコープさっぽろを訪問、ジョインします。
- 今では、AWSという面が違うかたちで作り手としてのキャリアを作っている
- COBOLを知っているからこそ脱メインフレームも怖くない
- 銀行、証券、小売、卸システムで得た知識で転職先の業務は想像がつく
- プライム案件の経験で数字の想像がつく
- いろいろなソースを読み書きしていたので、新しいものでも理解できる
↓
これまでに関わったものの数がチャンス候補になる!
興味を持ったものは、向き不向きに関わらず触れてみよう!
というメッセージでした。
「そっちから来ないなら自分から会いにいこう」という姿勢はとても大切だと再認識しました。
AWSヒーローになるためには
AWSの沼口さん
資料:https://speakerdeck.com/awsjcpm/10-aws-hironinarutameniha
AWSヒーローになるには?選考のポイントは?なったらどうなるの?など解説していただきました。
- AWS HEROっておいしいの?
- AWSウェブサイトでの個人プロフィールの紹介
- サービスチームからのNDAベースのミーティング → S3開発チームやLambda開発チームとのミーティングに参加できます!
- 毎年のAWSクレジット(2,000USD)提供
- プライベートSlackへの招待
- re:Invent関連
- カンファレンスチケット(約2,000USD)無料
- ホテル、飛行機のスポンサー
- プライベートDinner招待 → AWSのCTOも参加!
- Keynote最前列VIPアクティビティ
注意:上記は将来的にも約束されているものではありません。AWS HEROESプログラムは報酬を伴うインフルエンサープログラムではありません。ヒーローは、コミュニティへの貢献に対して報酬を受け取ることはありません。
などなど、AWS HEROになると多くの特典があります。夢がありますね!
re:Invent、いつか現地参加したいですね!
”Build” will change the world
ソラコムの松下さん
資料:https://speakerdeck.com/ma2shita/build-will-change-the-world
江戸時代の米相場の情報伝達を例にDXを解説していただきました。
大阪~大津間の米相場の情報伝達に、飛脚で1日かかっていた。
旗振り通信を使うことで当日中の情報伝達に成功し、競争力を高めた。
競争力:コメ相場の最新情報
制約:伝達の速度
手段:手旗信号
どうやって当時の人は「手旗信号」に辿り着いたのだろう?
俊足の飛脚からはじまり、伝書鳩など色々試す。→手を動かすことで、現実が見えてきたはずだ。
DXの目的は「競争力」であり、「IoT機器」は制約を取り除いてくれる手段になる。
現代には様々なパーツ(IoT機器もその1つ)がある。それらのパーツを理解し、実際に手を動かしてみる。
パーツを組み合わせて”創る(Build)”ことで、”作る(Develop)”よりも早く、
これまでにない「手段」を産み出せる。
「DevelopからBuildへ」というお話でした。
プレゼンがとても上手でプレゼンの勉強にもなりました。
JAWS FESTAへの感謝と広島初訪問の縁を感じて
フォージビジョンの山口さん
4年前のJAWS-UG広島で登壇予定でしたが台風の影響で不参加に。
今回が初めての広島訪問となりました。
なぜAWS Samurai、AWS Heroになることができたのかお話しいただきました。
休止状態だったJAWS-UG千葉をリブート
↓
簡単・難しい・メジャー・マイナーなど、テーマにはこだわりなく登壇・発表する
- エンジニアの資産となる「点」を増やす
- 簡単な内容でも必要としてくれる誰かがいるはず
この2つを心に置き、公に発表することによる批評(マサカリ)は気にせず、
喜んでくれる人に目線を合わせアウトプットすることを最優先した。
↓
JAWS-UG千葉での活動がきっかけで、JAWS SONIC 2020の配信することに。
↓
JAWS SONIC 2020の配信の実績から、JAWS DAYS 2021の実行委員長をつとめることに。
当日はオンラインで4,000人以上が参加。
コミュニティは仕事ではない。
AWS好きの仲間達とチャレンジができる場。
チャレンジした結果は自分の成長だけでなく、コミュニティの成長にも繋がる。
コミュニティが成長すれば、そこで得られるインプットの質と量にも良い影響がある。
→コミュニティでお願いされたことは断らずにチャレンジすることに決めていた。
↓
JAWS DAYS 2021などの実績から、AWS Samurai、AWS Community Heroの受賞につながった、というお話でした。
そしてここからは参加者に向けてのメッセージ
- まずは一歩を踏み出すこと。踏み出す前は怖いが、進んでしまえば自分の道。
- レベルが低い、簡単すぎる、と諦めてしまわずにアウトプットすること。
- アウトプットを継続すること。(1人で難しければ仲間を見つけて共に)
- チャレンジは成長につながる絶好の機会。チャレンジする勇気を持つ。
- コミュニティの仲間を信じて楽しむこと。
- そして、エンジニアとして必要な「点」を増やし、「線」としてつなげ、「面」として活用すること。
↓
遠いと思っていたところも一歩、一歩を続けていけば、いつかそこに立っている。
というとてもエモい話で、アウトプットを始めたばかりの自分にとても刺さりました。
朝会支部の雰囲気を広島に
JAWS-UG朝会主催者のはしもとさん
JAWS-UG朝会を紹介していただきました。
- 2020年3月にリブート後、毎月1回開催
- リモート開催のみ
- 朝7:30~8:30
- 50~70人が参加
- 夜に時間が取れない人も参加できる。
- 朝感を出すラジオ体操。リモートワークの運動不足解消にも。
- 「開催時間に特化」した支部のため、話題とエリアは無制限。
- 登壇者だけではなく、「ラジオ体操係」も募集中!
ということで、全員でラジオ体操をしました。
さっそく次回のJAWS-UG朝会に申し込んでみました。
大学生になってからのAWS
大学1年生の丸本さん
高校生の時から
- SQS
- SNS
- Lambda
- Cloud9
- CloudFormation
- S3
などに触れていて、天気APIを作ったそうです!
大学生になってからは
- RDS
- Redshift
- Lightsail
を使いはじめたとのこと!
そしてLightsailでブログを書いているそうです!
大学でChatGPTの利用が禁止されているので、
Amazon Bedrockを使ってオリジナルのチャットボットを作り、
ChatGPT禁止令を潜り抜けようと計画している、とのこと!
色々とすごいです。
また、AWS Cloud Clubsという学生専用のAWSコミュニティに所属し、
そこでの認定制度「Cloud Club Captain」にチャレンジ中ということでした。
頑張ってください!
AWSのPOC環境と生成AIをチームに導入してみた話
エネコムの濱本さん
資料:https://www.docswell.com/s/connect24h/KP9YG4-2023-10-09-231929
CSIRTとして顧客企業のインシデント対応支援を行うチームを指揮する濱本さん。
多くの顧客企業はパブリッククラウドにデータを置くことを避けていたため、
チームとしてもAWSを利用する機会はありませんでした。
しかし、徐々にパブリッククラウドの利用が増え、
ある日、緊急指令が下り、2023年12月からAWSセキュリティ監視サービスを始めることになります。
AWSの理解を進めるためにも、ChatGPTをチームに導入。
結果として、ほぼ新人だった人がLinuxサーバ・Zabbix・Splunk等を構築できるようになりました。
しかしまだチームとして、AWSの理解は進みません。
AWS専門家のサポートを受けようと、クラウドインテグレーターと契約するも、
パッケージとしてAWS環境を提供されるため、AWSアカウント(ルート権限)自体を
自由に使うことはできませんでした。
セキュリティの専門チームでしたが、基本に立ち返り、AWSのセキュリティ以外のセミナーを受講することにしました。それにより、AWSをクラウドOS的な概念で理解しました。
また、各種セミナーに参加することで自習用の25ドルクーポンが貰えるので、それを使い、自分のAWSアカウント環境で手を動かして勉強しました。
さらに、AWS Certified Cloud Practitioner 認定試験の勉強を通して、理解を深めました。
↓
つまり、実は答えは最初から目の前にあった=基本が最短の道筋、自分で手を動かすことが大切
↓
セキュリティから入らずにAWS Certified Cloud Practitionerの勉強からはじめておけば良かった。
これらを踏まえて、
- 生成AI利用推奨
- 教育予算はケチらない
等の方針でチームビルディングしている。
というお話でした。
AWSの基本用語、基本的な利用方法を覚えた後は、ChatGPTがとても便利です。
私も毎日「セキュリティグループが関連付けられているルール一覧を取得するコマンド教えて」などといった形で利用しています。
懇親会とまとめ
LTが終わってからは2時間程度酒まつりを練り歩き→懇親会でした。
酒まつり・懇親会の様子は「#jawsug_hiroshima」をご覧ください。
私にとって初めてのJAWS-UG参加で、知っている人が誰もいない状態でしたが、みなさん優しいコミュニティなので、色々お話させてもらえました。LTや懇親会ではみなさん一貫して「情報発信」「コミュニティ参加」の大切さを強調されていました。
LTの内容がAWSの勉強になることはもちろん、情報発信のモチベーション向上にも繋がりました。
リモートワークのためこれまで身近にエンジニア仲間がいませんでしたが、広島のエンジニアの方々とも繋がることができ、とても充実した一日となりました。
JAWS-UGに参加しようか迷っている方は是非、一歩踏み出してみてください!