はじめに

こんにちは、広島からリモートワークしている廣田(@hiropon1839)です。
本日(2023年11月27日)から受験可能となった『AWS Certified Data Engineer – Associate(DEA-C01)』(AWS認定データエンジニア-アソシエイト)ベータ試験をほぼ最速で受験してきました!

以下、AWS公式ページの試験概要(https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-data-engineer-associate/)等、AWS公式情報から引用・抜粋し、解説と著者の推測(推測部分は”(著者の推測)”と明記)を加えました。

『AWS Certified Data Engineer – Associate(DEA-C01)』(AWS認定データエンジニア-アソシエイト)試験とは

コアデータ関連の AWS サービスのスキルと知識や、データパイプラインの実装、問題のモニタリングとトラブルシューティング、ベストプラクティスに従ってコストとパフォーマンスを最適化する能力を検証します。

これまでアソシエイトレベルの試験は、設計者向けの『AWS Certified Solutions Architect – Associate』、運用者向けの『AWS Certified SysOps Administrator – Associate』、開発者向けの『AWS Certified Developer – Associate』の3つでした。
4つ目の試験として、データエンジニア向けの『AWS Certified Data Engineer – Associate』が追加されました。
試験の対象者は下記です。

この試験は、クラウドデータ関連の職種またはオンプレミスのデータ関連の職種で 2~3 年の経験があり、AWS クラウドに移行しようとしている方のために設計されています。データエンジニア、データアナリスト、データアーキテクト、ビジネスインテリジェンスエンジニアなど、クラウド関連の職種に就いている方は、この認定を取得して信頼と自信を得ることができます。

ソフトウェアエンジニア、クラウドエンジニア、レポートアナリスト、データ品質アナリスト、オンプレミスデータ関連の職種など、隣接する職種に就いている方も、この認定に向けて準備し、取得できます。

ベータ試験とは

AWS 認定では、実際の試験で採用する前に、ベータ試験を用いて試験項目のパフォーマンスをテストします。ベータプロセスは、試験の概要が更新されたとき、または新しい試験の提供が開始されたときに実施される場合があります。ベータが成功した場合、その試験の合格者は新しい認定の最初の取得者になります。

ベータ試験の受験期間

2023年11月27日~2024年1月12日

ベータ試験の合否発表日

ベータ試験の終了(2024年1月12日)から90日後
→つまり2024年4月11日になる見込みです。

本試験(標準バージョン試験)の開始日

2024年4月から受験可能(日付の記載はありませんでした。)
→ベータ試験の合否発表が2024年4月11日なので、「ベータが成功した場合、その試験の合格者は新しい認定の最初の取得者になります。」という記載から考えると、本試験の開始日も同じく4月11日、もしくはその翌日、4月12日になるかもしれません。(著者の推測)

本試験登録開始は2024年3月からなので、その時には正確な日付が判明しますね。ベータ試験の合格者に次いで準速合格を目指す方は要チェックです!

出題分野と配点

出題分野 配点
1.Data Ingestion and Transformation – データ取り込みと変換
1-2.Perform data ingestion. – データ取り込みの実行
1-3.Transform and process data. – データ変換とデータ処理
1-4.Orchestrate data pipelines. – データパイプラインの組み立て
1-5.Apply programming concepts. – プログラミングの活用
34%
2.Data Store Management – データストアの管理
2.1: Choose a data store. – データストアの選択
2.2: Understand data cataloging systems. – データカタログシステムの理解
2.3: Manage the lifecycle of data. – データライフサイクルの管理
2.4: Design data models and schema evolution. – データモデルとスキーマ進化の設計
26%
3.Data Operations and Support – データ運用とサポート
3.1: Automate data processing by using AWS services. – AWSサービスを活用したデータ処理の自動化
3.2: Analyze data by using AWS services. – AWSサービスを活用したデータ分析
3.3: Maintain and monitor data pipelines. – データパイプラインの保守と監視
3.4: Ensure data quality. – データ品質の確保
22%
4.Data Security and Governance – データセキュリティとガバナンス
4.1: Apply authentication mechanisms. – 認証メカニズム
4.2: Apply authorization mechanisms. – 承認メカニズム
4.3: Ensure data encryption and masking. – データの暗号化とマスキング
4.4: Prepare logs for audit. – 監査のためのログ準備
18%

合格点

「試験のスコアとレポート」(https://aws.amazon.com/jp/certification/policies/after-testing/)に「合格基準は、基礎レベルの試験では 700 点、アソシエイトレベルの試験では 720 点、プロフェッショナルレベルとスペシャリティの試験では 750 点となっています。」と明記されています。

→今回の『AWS Certified Data Engineer – Associate(DEA-C01)』はアソシエイトレベルの試験のため、720点になると思われます。

ベータ試験の試験時間、問題数、料金、言語

試験時間:170分
問題数:85問(択一または多肢選択)
料金:7,500円(税別)(本試験の半額)
言語:英語のみ

他試験合格時に発行された半額バウチャーを使い、7,500円の半額3,750円でのAWS認定試験 最安受験を試みましたが、ベータ試験では半額バウチャーが利用できませんでした。

本試験の試験時間、問題数、料金、言語

料金:15,000円(税別)
言語:英語、日本語、その他

試験時間と問題数について、本試験が具体的にどう設定されるか、AWS公式サイト上の情報では見つけられませんでした。
AWS公式ブログ「AWS認定試験の作成」(https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/the-experts-behind-aws-certification-exams/)に、このような記載があります。

「ベータ試験では、本試験よりも多くの設問が出題されます。目的は、各アイテムを合格スコアの計算に含め、本試験に移行するにあたり、受験者が各アイテムにどう反応するかを確認することです。たとえば、ほとんどすべての受験者が間違っていたアイテムや、ほぼ全員が正解したアイテムは、たいていの場合カウントされません。このデータを収集して分析し、ベータ試験の受験者には、ベータ期間の終了時にスコアを通知します。」

このことから、ベータ試験の『試験時間:170分、問題数:85問』より減ることは確実だと思われます。
また、既存のアソシエイトレベルの試験3つともが『試験時間:130分、問題数:65問』になっているため、これらと同じ試験時間・問題数になるのではないかと思います。(著者の推測)

【参考】
『AWS Certified: SAP on AWS – Specialty』が新規公開された際のベータ試験では、
ベータ試験:220分、85問
  本試験:170分、65問
でした。

『AWS Certified Data Analytics – Specialty』(AWS認定データ分析-専門知識)との違い

AWS公式ブログ「Registration open for AWS Certified Data Engineer – Associate beta exam」(https://aws.amazon.com/jp/blogs/training-and-certification/registration-open-for-aws-certified-data-engineer-associate-beta-exam/)と『AWS Certified Data Analytics – Specialty』の試験概要(https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-data-analytics-specialty/)によると、下記の違いが記載されています。

AWS認定データエンジニア-アソシエイト

  • データエンジニアの職種に合わせたものであり、データの取り込み、変換、保存、管理に重点を置いている。
  • プログラミングの概念を含む。
  • 『AWS 認定データ分析-専門知識』よりもデータの運用、サポート、セキュリティに重点を置いている。
  • 『AWS 認定データ分析-専門知識』ほど深く複雑ではない。
  • 対象者:2~3年のデータエンジニアリング経験と、1~2年の AWS サービスの使用経験者。

AWS 認定データ分析-専門知識

  • データ分析や可視化を含む、複数のデータ関連の職種にまたがるより広範な分野とより複雑なトピックを対象としており、データエンジニアとデータアナリストの両方に関連する。
  • プログラミングの概念は含まれない。
  • 対象者:少なくとも5年のデータ分析テクノロジーに関する経験と、少なくとも2年のAWS サービスの使用経験者。

ベータ試験対策でやったこと

AWS Skill Builderで、「Exam Prep Official Practice Question Set: AWS Certified Data Engineer – Associate (DEA-C01 – English)」(https://explore.skillbuilder.aws/learn/course/external/view/elearning/16985/aws-certified-data-engineer-associate-official-practice-question-set-dea-c01-english)が無料公開されています。

20問のサンプル問題が受験可能です。レベル感の把握、英語設問への慣れに役立ちました。
加えて、自分が普段なかなか触れる機会のないサービスかつ出題率が高そうなサービス(Kinesis、Redshift、Glue、EMR、Lake Formation等)を中心に『AWS 認定データ分析-専門知識』の問題集を解きました。

ベータ試験の英語対策でやったこと

ベータ試験は受験言語が英語のみとなっています。
AWS用語やIT用語はもともと英語やカタカナが多いので、単語レベルではそこまで苦労しないと思います。英語の文章に慣れるために、YouTubeやUdemyにある『AWS Certified Data Engineer – Associate』関連の動画を日本語字幕にするのではなく、英語字幕にして視聴しました。
日本語字幕にするのではなく、英語字幕のままにすることで試験問題=英語文章への苦手意識を減らしました。

実際に受けた感想

※AWS認定プログラムアグリーメントの守秘義務に則り、実際に出題された問題について具体的な事は記載しません。

難易度

試験の難易度としては、『AWS 認定データ分析-専門知識』試験の入門バージョンと言えるかもしれません。
『AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト』試験の難易度に近いと感じました。
『AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト』試験で見たような基本的な問題もありました。

問題文は短いものから長いものまでありましたが、ほとんどの問題ははサンプル問題と同じくらいの長さに感じました。

サンプル問題や他の認定試験と同じように「どの選択肢が最もコスト効率がよいか(Which solution will meet these requirements in the MOST cost-effective manner?)」だったり、「どの選択肢が最小の運用オーバーヘッドか(=できるだけマネジメントサービスを使う)(Which solution will meet these requirements with the LEAST operational overhead?)」というものが多かった印象です。

上記「ベータ試験の英語対策でやったこと」の『AWS Certified Data Engineer – Associate』関連の英語動画視聴は英語には少し慣れることができましたが、振り返ると中身はあまり身についていませんでした。英語動画の視聴は時間に余裕がある方だけで良いと思います。

『AWS 認定データ分析-専門知識』の問題集のうち、『AWS認定データエンジニア-アソシエイト』の出題範囲内で、難易度が高くないものや、文章が短いものを解くと良い対策になるかもしれません。また、『AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト』をすでに取得している人は、同じ問題集を復習として解くのも良いかもしれません。

時間配分

170分で85問の試験ですが、最後の問題を解き終わったのが終了時間2分前くらいでした。
英語の設問のため、1度で頭に入ってこず、ほとんどの問題で2回読む必要がありました。
170分÷85問=1問あたり2分で解く必要があります。

試験開始後、少し経ってからこのペースでは時間が足りない、と思い解くペースを意識するために試験時に渡されるメモスペースに下記の表を書いて、「残り問題数目安」以下をキープできるようにしました。
わからない問題にいつまでも悩まず、ある程度で見切りをつけることが大切だと思います。

都度、頭の中で残り時間と残り問題数を計算する必要がなかったため、下記の表は役に立ちました。

残り時間 残り問題数目安
150分 75問
130分 65問
110分 55問
90分 45問
70分 35問
50分 25問
30分 15問
10分 5問

ほぼ最速受験とは?

試験公開初日は2023年11月27日ですが、開始時間はテストセンターの営業時間によって異なります。私の生活圏のテストセンターは10:00からだったので、10:00の試験を予約しました。
他の都道府県のテストセンターを確認すると、9:00から予約可能な所もありました。また、オンライン受験であれば9:00も予約可能でした。
よって、9:00からの受験が最速受験のため、10:00から受験の私は「ほぼ最速受験」としました。

(おまけ)re:Invent 2023会場でベータ試験の受験はある?

今日からre:Invent 2023です。
過去に『AWS Certified Data Analytics – Specialty』ベータ試験に関するAWS公式ブログ「Highlight the breadth of your data and analytics technical expertise with new AWS Certification beta」(https://aws.amazon.com/jp/blogs/big-data/highlight-the-breadth-of-your-data-and-analytics-technical-expertise-with-new-aws-certification-beta/)では、
You can take the AWS Certified Data Analytics — Specialty beta exam at testing centers worldwide through January 10, 2020, and onsite at re:Invent 2019.」
という記載があり、re:Invent 2019の会場で受験可能だったようです。

今回の『AWS Certified Data Engineer – Associate』ベータ試験については公開初日がre:Invent 2023の開催初日と同じだったため、もしかしたらre:Invent 2023と合わせていて、re:Invent 2023の会場でも受験可能なのかもしれない、と思いre:Invent 2023のページを検索しました。しかし、『Exam prep: AWS Certified Data Engineer – Associate』という試験対策のセッションは見つかりましたが、ベータ試験の受験自体は見つかりませんでした。

さいごに

自分の解答結果が本試験の問題構成に反映されるかもしれない、という貴重な機会でした。

AWS認定資格をすべて取得することを「12冠」と言いますが、『AWS Certified Data Engineer – Associate』本試験開始後は「アソシエイト4冠」という言葉も使われ始めることでしょう。

受験言語が英語のみ、というところが少しネックですが、受験料は半額のため、受けようかと悩まれている方はベータ試験のうちに受けてみてはいかがでしょうか。

AWS公式ブログ「AWS認定試験の作成」(https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/the-experts-behind-aws-certification-exams/)に記載の通り、難しすぎる問題=正答率が低すぎる問題は採点対象外(本試験不採用問題)となる可能性が高いです。ベータ試験中に何問も難しい問題が出題されたとしても、最後の問題まであきらめずにすべて解答しましょう!