昨今、システム全体のアーキテクチャが複雑化する中、CPU やメモリといったインフラ観点のモニタリングだけでは未知の事象への対応がどんどん難しくなってきました。
我々アイレットでは、このような未知の事象への対応や顧客体験の向上、ビジネスの拡大といったご支援をインフラ面に留まらず目指しています。
そして、その実現には APM(アプリケーションパフォーマンスモニタリング)やブラウザパフォーマンスなどのユーザー体験の領域まで踏み込んだオブザーバビリティ(システム全体の観測)の推進が必要不可欠だと考えています。
今回は、そんなオブザーバビリティ推進の一環としてNew Relic 社と合同で実施したトレーニングイベントの様子をご紹介します。

トレーニングについて

今回のトレーニングは、当社が提供する cloudpack 監視運用保守サービスのアップデートに向け、New Relic の機能群の深い理解、運用時の活用イメージの把握を目的に、New Relic 社のシニア テクニカル アカウント マネージャーの章 俊 様、テクニカル アカウント マネージャーの大川 嘉一 様をお招きし開催しました。

アイレットからは、昨年9月に「New Relic Partner Trailblazer」に選出された大園 隼人をはじめ、クラウドインテグレーション事業部の22名が参加しました!

ちなみにイベント会場は、当社のグループ会社、KDDIラーニング株式会社が運営する研修施設「LINK FOREST」。開放的で落ち着いた空間にて学びを深められる本施設は宿泊室も備えており、今回のイベントに遠方から参加するメンバーもじっくり集中してトレーニングに臨むことができました。

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トレーニング当日は朝9時からスタート。
座学から実践パート、最後には懇親会まで、1日みっちり、盛りだくさんの内容です。

座学編

午前中は座学形式にて、New Relic 社 テクニカルサポートエンジニアの伊藤 覚宏 様から、New Relic の技術的な基礎知識を学びました。

オブザーバビリティが必要とされるに至った背景や基本的な思想、 New Relic の概要など、初歩から応用まで幅広く説明いただき、New Relic の基本的な機能を普段から使いこなすエンジニアのさらなるレベルアップが期待できるレクチャーでした。さらに座学編の締めくくりとして、New Relic Full-Stack Observability 認定試験にも挑戦しました。

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実践編

午後は、実際に手を動かしながら課題に対して取り組む実践パートです!

実践パートは3名ずつの7チームに分かれ、 APM や Browser を中心とした基礎から応用までの全6ステージの課題に、チーム対抗戦で臨みます。各ステージに制限時間が設けられており、回答の“正確性”に加えて、速く回答したチームには加点されるという、“スピード”も問われる課題です。

ステージ1〜4は基礎編で、制限時間は1ステージ15分。提示された設問をもとに New Relic の管理画面を確認し、チームで話し合いながら回答を導き出します。画面をよくチェックしないと見落としてしまうような設問もあり、「あれ?」という声や「難しい!」という声もちらほら上がっていました。制限時間後の解説時には、さらに詳しい解説をリクエストを求めるメンバーもおり、楽しみながら学べているようです。

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ステージ4を終え、中間成績発表へ。なんと、ステージ3は7チームすべてが全問正解だったようで、各チームの成績は接戦の状態です。後半のステージに進むにつれ、チームでリラックスして臨めるようになってきたのか、はたまた中間成績発表で気持ちに火がついたのか、会場は徐々にヒートアップしてきました。

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続くステージ5・6は発展編、応用編。設問の難易度もどんどん上がっています。
特に最終ステージとなるステージ6は設問数の多さと難易度から、制限時間が40分の長丁場。どのグループも制限時間をフルに利用して、活発な議論をしながら課題に取り組んでいます。

結果発表

すべてのステージが終了し、いよいよ結果発表です!

優勝チームは、構築第二セクション 太田 隼、構築第六セクション 生方 恭兵、MSP セクション 中谷 海里からなるDチーム! また、個人賞として、構築第二セクション 満村 雄二が MVP に選ばれました。

newreric-training-6優勝チーム(中谷・生方・太田)

newreric-training-7MVP 満村 雄二

上位のチームには賞品として、章様・大川様から New Relic の各種ノベルティが贈呈されました。一方、最下位のチームには「もっと New Relic を勉強してくださいね!」と、解説本である「New Relic実践入門 第2版 オブザーバビリティの基礎と実現」が渡されるなど、参加者全員が大盛り上がりの表彰式となりました。

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表彰式の後は、New Relic の新機能・アップデート情報について解説がありました。

朝9時から夜6時まで、1日を通して New Relic についてみっちり学んだ、充実したトレーニングでした!

参加者の声

トレーニング参加者の声として、

  • アプリケーションエラーに関するトラブルシューティングに APM を活用していきたい
  • ボトルネックが不明で悩むお客様において、APM を導入して解決に繋げたい
  • インフラ観点だけではなく、APM を使ってアプリケーションにも踏み込んだシステム全体のオブザーバビリティに活かしたい

という、さらに業務へ活用していきたいといった意見や、

  • 章さんのイベント進行が面白く、楽しく有意義な時間となりました。
  • 第二回を希望します!

など、学びを深める機会として非常に有効だったという声が多くありました。

New Relic 章様・大川様より

参加者は普段インフラ運用業務に携わっている方が多い中、APM 機能について理解度や習得度は想定よりはるかに高かったです。ステージを進めるにあたって、各参戦チーム内のコミュニケーションがどんどん活発化していたことを見ましたので、楽しんでいただけたかと思います。今後は APM 機能を理解するエンジニアがさらに増えて、貴社内での APM 機能の活用が推進されることを期待したいです!

本トレーニングを通して

今回のトレーニングでは、従来のインフラ(システム)領域だけでなく、APM / Browser といったアプリケーションやユーザー体験の領域まで踏み込んだ実践的な対応を学びました。

本トレーニングのアプリケーションボトルネック調査で利用した主な APM 機能

APM 機能名 説明
Summary アプリケーションの潜在的な障害の概要を確認し、大きなコンテキストで問題を理解することができる機能
Transactions 関数の呼び出し、データベース呼び出し、外部呼び出しを記録し、パフォーマンス問題をトラブルシューティングしたり、アプリケーションの稼働状況を詳細に把握したりできる機能
Database 低速トランザクションの分析やデータベースクエリの収集設定の変更を行う機能
Errors InBox エラー率のチャートをもとに、予期しないスパイク、ディップ、または一般的なエラーのパターンがあるかどうかを一目で確認できる機能

本トレーニングでユーザー体験の分析に利用した主な Browser 機能

Browser 機能名 説明
Summary 「LCP」「FID」「CLS」などのコアウェブバイタルの重要指標を含むユーザーのブラウザパフォーマンスの問題を大きなコンテキストで理解することができる機能
Errors InBox JavaScript エラーが発生している場所を示し、根本原因の解明に役立つ機能
Geography 世界中の都市、地域、国におけるフロントエンド エクスペリエンスに関する色分けされたパフォーマンス情報を含む可視化機能。デバイスタイプ情報など地域ごとのユーザー データが表示され、トラフィックやエラーのホットスポットを視覚化可能

また、本トレーニングを通して、本日までに数十名の New Relic における技術者資格の取得者も増え、知見を持ったエンジニアの創出につながっています。

以下のような課題でお困りのお客様はぜひ当社にご相談ください。

  • サービス障害時にインフラ観点だけでなく、俯瞰的なボトルネック調査を行い、問題の特定・解決を早めたい
  • インフラ領域だけじゃなく、アプリケーションやユーザー体験のインサイトを取得してオブザーバビリティを強化、ユーザー体験やサービスの改善に繋げたい

お客様の課題に合わせて、「cloudpack監視運用保守サービス」、「New Relic 導入支援サービス」等、当社が提供するサービスをご提案させていただきます。ぜひお気軽にアイレットへご相談ください。

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