DX開発事業部の前野です。
今回、初めてAWS Summitに参加させていただきましたのでそのレポートを書かせていただきます!
本記事では、Day2において、全体をギュッと凝縮したものをお伝えできればと思います!

基調講演

まずはアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 技術統括本部長の巨勢 泰宏様のオープニングからスタート。AWSの過去の歴史を振り返りつつ、AWSが掲げる「クラウドでビジネスを変革する」を実現している事例について業界別に企業の事例が紹介されていました。

 

次は、Amazon Web Services Inc. 生成 AI および AI/ML マーケット戦略担当 バイスプレジデントのラフ―ル パサック様からの、AWSのテクノロジーの進化についてのお話でした。
生成AIがビジネス課題解決のために重要な役割を果たしていることを、業界毎の事例を交えつつ強調していました。

途中、生成AI活用の事例紹介が2社の方からありました。
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)からは、SageMakerをはじめとした機械学習サービスの業務における活用、株式会社電通デジタルからはAmazon Bedrockをマーケティングに活用する事例についての紹介がありました。

基調講演を通して、「ビジネスの成功にはデータ活用が鍵」「データこそが差別化要因」といった形で、生成AIを活用するのが当たり前な時代だからこそ「質の高いデータを準備することの重要性」が随所で強調されていました。

 

セッションの振り返り

今回私は3つのセッションを受講しましたが、中でも印象的だった2つのセッションについて、
簡単なセッションの内容のご紹介と、所感について述べていきたいと思います。

生成 AI の発展的な活用 – 数クリックで基盤モデルを自社業務専用モデルにファインチューニング

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 技術統括本部 ストラテジックインダストリ技術本部 メディアグループ メディアソリューション部 ソリューションアーキテクト の前川 泰毅様による、SageMaker JumpStartについてのセッションを聴講しました。途中デモの実践もあり、理解しやすかったな、という印象でした。

 

SageMaker JumpStartについては様々な利点があるとの言及がありましたが、要約すると下記のような利点に集約できました。

  • 開発者がノーコードで基盤モデルを開発することができる
  • 0からモデルを学習、ファインチューンもできるというメリットもありつつ気軽に
  • AWSクラウドに閉じた形で利用できるのでセキュリティ的な観点からも安全に基盤モデルを使用することができる

Amazon BedrockもAmazon SageMaker JumpStartもどちらもFM(基盤モデル)を使用することのできるサービスですが、SageMaker JumpStartは、手軽に利用できるかつカスタマイズ性が高いという点で優れているなと感じました。

また、SageMakerでは基盤モデルの選定について、precision(精度), speed(速度), cost(費用)を考慮すべき、との説明がありました。精度とスピード、コストはトレードオフであるので、顧客から求められる要件がどのようなものなのかを理解した上での基盤モデル選定が大事なのだな、と勉強になりました。

Elasticsearch RAG と Amazon Bedrock との連携がもたらす AI ソリューションとは?

Elasticsearch株式会社の古久保 武雄様から、RAGを企業で活用する際のポイントや注意点について解説いただくセッションでした。

セッション内では検索の重要性について強調されていました。要点としては下記3点に集約されると感じました。

  • RAGを行う上で、そもそも、正しい検索情報が入ってなければ期待する結果は返ってこないので正しいデータを準備する(大前提)
  • 通常検索(キーワード検索)もベクトル検索もどちらもメリット、デメリットがありお互いに完全ではない
  • RAGを組み込んで生成AIアプリケーションを作る際、検索と、LLMへのプロンプトは別プロセスであることを認識する

最近のトレンドであるRAGですが、メリットデメリットやリスクを正しく理解した上で使っていかなければ、と実感しました。

 

気になったブースついて

「簡単にデプロイできて業務活用もできる生成AIアセット」

AWS様出典のブース「簡単にデプロイできて業務活用もできる生成AIアセット」にて、
generative-ai-use-cases-jpがご紹介されていました!

generative-ai-use-cases-jpとは、ビジネスユースケースに応じて生成AIアプリケーションを作るためのフレームワークで、現在OSSとして無償公開されているものです。

業務で少し触れる機会があったため、個人的には「業務で使ったあれだ!」となって非常に興味深かったです。

6/20に発表された基盤モデルClaude3.5 Sonnetのサポートも開始したようです!これは期待大ですね!(詳しくはこちら参照)

 

参加を通して感じたこと

  • 基調講演でおっしゃっていた「データの利活用が鍵」という言葉が印象深かったです。
  • 多くのセッションで、生成AI活用について言及されており、改めてAIの利活用がスタンダードになっている時代であることを感じました。AIを利用する立場として、顧客目線でどう使うのかについても意識しながら開発に臨んでいきたいなと思いました。
  • 生成AIの利活用がスタンダードになっているからこそ、開発者目線では「生成AIを活用する技術力」もさることながら、顧客へどのようにしたら価値提供ができるかを考えていく力がより一層重要になっていくなと感じました。
  • 今回初めてのAWS Summit参加でしたが、改めてAWSサービスでできることの幅広さ、自分の知識の未熟さを知ることができました。資格取得の面でも、実務経験においてもまだまだ未熟だと感じたので、より一層積極的にAWSを学習していきたい、という気持ちになりました。