この記事について

DX開発事業部の前野です。
アイレットに入社した新卒社員は、新卒育成グループという人事が設計・運営する”入社時研修”を4月~7月の約3ヶ月間受け、それぞれの配属事業部に配属されます。
詳しくは新卒育成G執筆のこちらの記事もご参照ください!
アイレット新卒シリーズ Vol.53 新卒研修レポート〜オリエンテーション〜
アイレット新卒シリーズ Vol.55 新卒研修レポート〜技術研修〜

DX開発事業部では、上記の人事主催の”入社時研修”に加えて、事業部内で約1ヶ月間配属後研修を実施しております。
研修に関しては、前年の新卒社員が企画から運営までを実施します。
今年度の研修は8名の23卒社員で企画・運営を実施しました。
今年度は7/16(火)-8/23(金)というスケジュールで実施しました。
「今年度の研修で出た良かった点・反省点を整理し、次年度提供する研修の質を向上させる」ことに繋げるために、DX開発事業部の23卒社員で振り返りを行いました。

本記事はその振り返りの内容をまとめたものになります。

全体スケジュール

研修の企画の構想自体は前年の10月あたりからスタートしました。

10月頭-11月 研修の枠組み検討

昨年度23卒自身が受講した研修内容を踏まえて、研修内容の大枠に関して議論し、研修で実施する内容を決定しました。
23卒内の意見にとどまらず、リーダー層へアンケートを取ったりMTGの場を設けたりして、「現場の声を聞く」ことも意識しました。

12月- 6月 研修内容準備

研修内容ごとに役割分担し、研修の中身の作成に取り掛かりました。
当初の予定はバッファを持たせて4月に準備を完了する予定でしたが、各自案件の稼働もあったため、想定よりスケジュールが後ろ倒しにずれ込んでしまいました。
余裕を持たせたスケジュール策定は大事だな、とここで感じさせられました。

7月前半 最終確認

準備した研修内容に問題がないかのチェックや、研修運営時の動きについて23卒内で認識合わせを行いました。
6月末までに大方準備を終えることができたとはいえ、考慮が足りていない部分の修正などがありギリギリだったな、という印象でした。

研修内容

実際に研修で行った内容は下記になります。

オリエンテーション

23卒⇔24卒の自己紹介や、研修内容の説明などを行いました。
また、配属後業務を遂行する上でビジネス面で気をつけてほしいことをスライドにまとめ、簡単に説明しました。
下記はその一部です。

プログラミング研修

下記2点を背景に、導入しました。

  • 配属前研修はPythonのみであるが、事業部としてLaravel(PHP)を使用した案件も多い
  • 「案件に入って、プログラミングの基礎力の大事さを痛感した」という23卒未経験者目線の意見があった
    プログラミングにおける基礎的な概念を学習するために、
    変数,配列, 四則演算,反復処理,条件分岐, クラス,関数などプログラミングにおける基礎的な部分の問題を数十問出題し、回答してもらいました。

SQL研修

  • 問題演習形式で実際にSQLを書いて学んでもらうことを目的に、MySQL Workbenchを用いて、
    業務でよく使われるテーブル操作については一通り触れるような問題構成で問題を作成しました。

Git研修

簡単なスライドを作成し、Gitの基礎的な概念は学習していただいた上で、
24卒内でペアを作ってclone-mergeまでの一通りのGit操作を実践しながら、Gitについて学習してもらいました。

Laravel研修

昨年度23卒が受講した内容から一部アップデートを行いました。
アップデートを行った点としては、「オンライン学習プラットフォームの導入」「チーム開発の一部導入」です。
昨年度は事業部配属前の”入社時研修”でLaravelの研修があったので、新卒社員に一から学んでもらう必要はありませんでした。
今年度の”入社時研修”では別の言語が採用されていたため、一から体系的にLaravelについて学ぶ機会を設ける必要がありました。そういった背景からオンライン学習プラットフォームの導入を決定しました。

研修の流れとしては、導入としてオンライン学習プラットフォームを使用し、各々学習してもらった上で、下記を実施してもらいました。

  • ユーザー管理画面・アサイン管理画面の二つの画面を作成
    • ユーザー管理画面においてはチーム開発(2-3人一組)
    • アサイン管理画面では個人開発で実施

PRのレビューに関しては、事前に23卒内でレビュー観点を作成し、ムラのないレビューが実施できるように工夫しました。また、開発にあたっては、実際の事業部のメンバーや、セクション・グループ名を使ったテーブル設計を行い、開発をしてもらうことで、よりイメージしやすい形で学習を行ってもらう形にしました。

その他

雑談会の導入

研修期間中は毎日朝会を実施しておりましたが、23卒⇔24卒間の交流促進を目的に、雑談会を導入しました。雑談をすることで心理的安全性が高まる→「質問をしやすくなる」ことにつながるのでは??という23卒内の意見を反映し、導入しました。
実際、24卒方からはこんな声があり、導入して良かったなと思いました。

あって助かったと本当に思います。個人で作業することが多かったので、1日に1回は誰かとお話しするのが心の支えになっていたと思います。あと、途中で質問会ができてからは質問へのハードルが下がってよく利用していました。たいへん助かりました。

初学者向け勉強会

事業部内で活躍されているエンジニアの方から、全4回に渡り初学者向けに講義を実施いただきました。
案件配属後を見据えての仕事の進め方・タスク管理や、開発に関することなど、さまざまな切り口から講義を実施いただき、初学者以外の立場でも、改めて勉強になるコンテンツでした。

補足)登壇いただいた方とその登壇内容のご紹介

  • 第1回
    • タスク管理について
  • 第2回
    • 仕事が面白くなる瞬間
  • 第3回
    • プロジェクトの開発工程について
  • 第4回
    • 保守性の高いコードについて

23卒視点で振り返り

23卒の研修企画・運営に関して、KPTKeep・Problem・Try)の視点で振り返りをしました。下記のように、付箋を使って意見を書き出しながらまとめていきました。

振り返りで出た声を一部ピックアップします。

良かった点
  • 思考停止に陥らず、自分たちが受講した研修で感じたことをベースにして、昨年の踏襲ではなく、一部ブラッシュアップした内容にできたのはよかった
  • チーム開発の導入→よりチームで開発する意識を醸成できた
  • 概ね研修企画時のWBS通りに研修が進んだ(大きな遅延がなかった)
    • 工数見積もりが適切だった
反省点
  • バッファを設けた研修準備であったが、結果としては準備完了がギリギリになってしまった
    • 進捗管理を密にしておくべきだった
  • レビューが遅れ、24卒の方の作業を止めてしまう時間があった
    • 23卒間の情報共有をもう少し密に連携できたら良かったのでは
  • 研修内容の説明不足で、混乱を招いてしまう部分があった
    • Wikiなどは情報の不足がないようにしっかりと漏れなく記載する
  • 研修準備段階で、少し負荷の偏りが生まれている部分もあった
    • できるだけ負荷を均等化できるような仕組みづくりが大事

24卒の方からの声

研修終了後、Google Formsを用いて研修の満足度や受講した感想に関して回答をいただきました。
至らない点は色々とありましたが、前向きな回答をいただけて嬉しい限りです。一部意見をご紹介します。

1ヶ月間研修ありがとうございました。かなり丁寧に作られていたので受けていてとても楽しかったですし、勉強になりました。研修前と比べて自分がしっかり成長していると実感しています。お忙しい中我々24卒にお時間割いていただきありがとうございます。来年度はさらに良い研修になるよう頑張ります。またお知恵を貸していただければ幸いです。

配属初日はかなり不安だったのですが、ゆるめな雰囲気のオリエンテーションで緊張がほぐれました。研修全体のスケジュールを提示してくださったので、これからなにをするんだろう、という先の見えなさも払拭されました。

最後に

反省点もありましたが、無事DX開発事業部配属の24卒の皆さんが研修を終えられて一安心です。
次年度は今年度の反省も踏まえて、さらに質の高い研修を提供できるといいのではないかなと思っています。今年度の24卒の社員の方がどのような研修を作り上げてくれるかが楽しみです。