今回、DR(Disaster Recovery:災害復旧)対策について調べる機会があったため、IoT案件におけるポイントも含めて共有します!
1. DR対策とは
DR対策(Disaster Recovery対策)とは、災害や事故の際に重要なITシステムやデータを保護し、迅速に復旧させるための計画や措置のことを指します。具体的には以下のような目的があります
- ビジネス継続性の確保
- データ保護
- ダウンタイムの最小化
2. 気を付けるべきポイント
DR対策を実施する際には、以下のポイントがあります!
前提として、プロジェクト次第で選択するものというものがあります
たとえば、PoC(試行運用)からスタートした案件ですとユーザーを探す段階から始めているため、初期は考慮せず、どこかの段階で必要に応じてDR対策は考える必要があるといった考えです
考えるべきは以下のポイントです
- 要件やコスト、プロジェクトのミッションクリティカル度合いの観点から適切な方式を選択する
- RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)とRPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)を明確に定義する
- 定期的なDR訓練を実施し、計画の有効性を確認する
例えば、一般的なRTOとRPOの目標値として、以下のような設定が考えられます
- RTO(ダウンタイム可能時間):72時間(3日)
- RPO(データ損失可能時間):144時間(6日)
3. IoT案件におけるポイント
IoT案件特有のDR対策としては、以下のようなことを考慮する必要があります
デバイスとの連携がポイントです
- データのバックアップと同期
- AWS IoT Greengrassを使用して、エッジデバイスのデータをクラウドと定期的に同期
- S3やGlacierなどのAWSストレージサービスを利用したデータバックアップ
- 冗長性の確保
- 複数のエッジデバイスを異なる場所に配置
- AWS IoT Coreを使用したデバイス間の通信と制御の管理
- 自動フェイルオーバー
- AWS IoT Greengrassを使用した自動切り替え設定
- ソフトウェアの更新と管理
- AWS IoT Device Managementによるデバイスソフトウェアの管理
- モニタリングとアラート
- AWS IoT Device Defenderを使用したデバイスの異常検知とアラート
- ネットワーク接続と電源の冗長化
- 複数のネットワーク接続(Wi-FiとCellularなど)の用意
- バッテリーバックアップや無停電電源装置(UPS)の使用
- 物理的なセキュリティとデータの暗号化
- エッジデバイスの安全な設置
- AWS Key Management Service (KMS)によるデータ暗号化
- 定期的なDRテスト
- 実際の災害時を想定したテストの実施
- ※特に災害時のテストはIoT案件に限らず重要
4. まとめ
IoT案件におけるDR対策は、エッジデバイスの特性を考慮しつつ、クラウドサービスの機能を最大限に活用することが重要です。適切なDR対策を実施することで、災害時でもサービスの継続性を確保し、ビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。
定期的な見直しとテストを行い、常に最新の脅威に対応できるよう、DR計画を更新し続けることがとても大事です!