はじめに
この記事はGoogle Cloud Next 2025で公開されたセッション「Google Workspace and Google Agentspace: Break the information silos with AI」についてのセッションメモです。速報の記事になりますので、誤りなどがありましたら随時、修正していく予定です。
本セッションを理解するために必要な知識をおさらい
本セッションはタイトルどおりGoogle WorkspaceとGoogle Agentspaceの2つが登場します。
Google Workspaceは簡単に説明するとGoogleが提供するクラウドベースのグループウェアです。
細かいサービス概要については以下のURLを参照してください。
サービス | Google Workspace
そして、Google Agentspaceは簡単に説明すると
社内の様々なデータソース(ドキュメント、メール、データベース、その他サードパーティ製のSaaSなど)をGeminiが横断的に把握することで従業員の代わりに情報検索やタスク実行を支援する賢いアシスタントを構築・管理できるサービスです。まるで、社内にいる知識豊富なエキスパートが、必要な時にいつでも、どんな質問にも答えてくれて、煩雑な作業も代行してくれるようなイメージです。
セッションの内容を要約するとつまり
本セッションでは企業が直面する働き方の課題に対してGoogleのAI技術(特にGoogle WorkspaceとGemini)を活用することで情報へのアクセスを効率化・コラボレーションを促進して生産性を向上させる可能性が示されています。その過程でGoogle Agentspaceが紹介されています。
データのサイロ化の解消、Geminiによる知識統合、そしてセキュリティとガバナンスを重視したAIの責任ある活用が重要なテーマとして語られています。ライブデモを通じて、Google Agentspaceが実際の業務においてどのように役立つかが具体的に示されました。
セッションの内容(本編)
昨今のビジネス環境は、かつてないほどの変化と複雑さに満ちています。私たちは、多様なツールやデータソースに囲まれながら日々業務に取り組んでいます。
しかし、その一方で複数の課題を抱えています。
- 情報のサイロ化
必要な情報が複数のシステムに分散し、アクセスに手間取ることがあります。 - 煩雑なタスク
定型的な作業に時間を奪われ、本来注力すべき業務に集中できないことがあります。 - コラボレーションの障壁
チームメンバーとの情報共有や連携がスムーズにいかず、生産性を低下させる可能性があります。

これらの課題を克服し、より効率的で創造的な働き方を実現するための鍵となる、AI(人工知能)の可能性について掘り下げられました。特に、Google Workspaceと最新のAIモデルであるGeminiが、私たちの働き方をどのように変革し得るのか、その魅力が深掘りされました。
これらの課題は働き方を阻む見えない壁のように存在し、創造性やイノベーションの妨げになっています。
Geminiがもたらす変革:壁を打ち破り、新たな可能性を拓く
AI技術として特に自然言語処理や機械学習の進化はこれらの課題に対する強力な解決策となります。Googleは、「AIファースト」の思想のもと、長年にわたる研究開発を通じて、私たちの働き方を革新する様々なツールやプラットフォームを提供してきました。
その中でも注目すべきは、Google Workspaceと最新の基盤モデルであるGeminiの統合です。
Google Workspace with Gemini:Geminiが日常業務に溶け込む
Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、スライドといった、私たちが日常的に利用しているGoogle Workspaceの各アプリケーションに、Geminiの強力なAI機能が組み込まれることで、以下のような変化が期待できます。
- 情報アクセスの革新:
複数のアプリケーションに散在する情報をGeminiが統合し、必要な情報を迅速かつ的確に提供します。まるで、専門のナレッジアシスタントがいるかのように、質問に答えてくれたり関連情報をまとめてくれたりします。
接続できるデータソースは以下のとおりです。
- 生産性の向上:
メールの下書き、ドキュメントの要約、スプレッドシートのデータ分析、プレゼンテーションのデザインなど
これまで時間を費やしてきたタスクをAIがサポートします。これにより、私たちはより戦略的で創造的な業務に集中できるようになります。
- コラボレーションの進化:
Geminiは、チームメンバー間の情報共有を円滑にし、アイデアの発想や議論を活性化します。リアルタイムでの共同編集はもちろん、AIによる提案やフィードバックを通じて、より質の高い成果物を生み出すことができます。
ライブデモから見る未来:Google AgentspaceによるAIエージェントの可能性
※ライブデモでしたので感想を交えて紹介します。
ライブデモはGeminiを搭載したAIエージェントが実際のアカウントマネージャーの業務をどのように支援するかのライブデモが行われました。
複数のシステムから必要な情報を瞬時に収集したのちレポート作成を効率化する様子はまさに未来の働き方でした。
GeminiあるいはAIは、単なるツールではなく私たち一人ひとりの能力を拡張してより創造的で生産的な働き方を実現するための強力なパートナーとなるでしょう。
Demo recapは以下のとおりです。
また、デモの中ではWorkspace Flowsについてもハンズオンがなされました。
※Workspace Flowsについては公式でアナウンスされています。
補足:責任あるAIの実現に向けて
AIの導入にあたっては、セキュリティやガバナンスといった側面も重要です。
Googleは、長年の研究開発で培ってきた責任あるAIの実践に基づき、プライバシー保護やデータセキュリティにも最大限配慮したプラットフォームを提供します。
まとめ:Geminiと共に、新たな働き方へ
AI技術の進化は私たちの働き方に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。Google WorkspaceとGeminiの統合は情報の壁を打ち破って煩雑なタスクから私たちを解放し、チーム間のコラボレーションを新たなレベルへと引き上げるでしょう。AIを単なるツールとしてではなく、私たちのパートナーとして迎え入れ、共に未来の働き方を創造していく。そんな時代が、すぐそこまで来ています。
感想
Google Agentspaceは、企業が持つ膨大な知識を最大限に活用し、従業員の働き方を大きく変革する可能性を秘めたサービスだとセッションを聞いて思いました。Google WorkspaceとAgentspaceの組み合わせが単に業務を効率化するだけでなく、組織全体の情報活用能力を高めることに繋がり、AI時代における競争力を向上させるための重要な鍵となることを確信しました。
データサイロの解消とAI活用に課題を感じている企業のITリーダーや開発者の方々にとってセッションの内容は今後のビジネス戦略を考える上で非常に示唆に富むものだったと言えるでしょう。
個人としては業務は開発と分析がメインとなるため直接触ることはないと思いますが、間接的に恩恵を受けることができたらとても嬉しいです。(社内で導入されたらあるいは検証案件があったらいち早く使ってみたいです)
今後もGoogle Agentspaceがどのように進化して企業の働き方を革新していくのか引き続き注目していきたいと思います。