今回も現地ラスベガスでKeynoteを視聴しました。
Keynoteに関しては弊社社員も様々な視点でブログ記事を書いていますので、特定のサービスに掘り下げて書きたいと思います。
席は良い場所が確保できなかった・・・。
今回はGoogle Distributed Cloudについて掘り下げます。
https://cloud.google.com/distributed-cloud
Google Distributed CloudでのGeminiが実行可能に
エアギャップ環境でGeminiをローカルに実行可能ということで、金融系など機密情報を扱う業種で、ネットワークを遮断した環境下でGeminiが活用できるようになるというのは非常に大きい発表だと感じました。
生成AIの利用において情報の管理は常につきまとうものですが、エアギャップ環境で使えるという点は他の生成AIとの大きい差別化になると考えます。
※エアギャップ環境
セキュリティ対策の一つで機密性の高い情報や重要なシステムを
インターネットや社内ネットワークなどの他のネットワークから物理的に隔離した環境。
ネットワーク接続がないため、外部からの不正アクセスやマルウェア感染のリスクを大幅に低減できる。
Expo会場にあった、防衛システムにも使われるGoogle Distributed Cloudの軍事用?の実物ラック。
銃撃にも耐えられるらしい?ゴツい外観!
これもExpo会場にあった通常のGoogle Distributed Cloudの実物ラック。
Google社員が丁寧に説明してくれるのが贅沢。
NvidiaのConfidential Computing および Blackwell システムをサポート
Confidential Computingはクラウド環境において、処理中の機密データを不正なアクセスから保護する技術です。
通常クラウド環境では、データは保存時や転送時には暗号化されますが、処理中は平文の状態になるため、潜在的なセキュリティリスクが存在します。
Confidential Computingは、「ハードウェアベースの分離された実行環境(Trusted Execution Environment – TEE)」を利用することで、処理中のデータも暗号化された状態で保護するものとなります。
ここで強調されていたのは、Google CloudがNvidiaのConfidential Computingをサポートすることで、機密性の高いAIワークロード、例えば規制の厳しい業界(金融、医療など)におけるデータ分析やAIモデルの実行において、より高いセキュリティレベルを確保できることです。
Nvidia Blackwellは、Nvidiaの最新世代のGPUアーキテクチャであり、AIおよび高性能コンピューティングワークロード向けに大幅な性能向上と効率化を実現します。
Google Distributed Cloudがこれらをサポートすることで、ユーザーは最新の強力なGPUを活用して、より高速かつ効率的にAIワークロードを実行できるようになるとのこと。
まとめ
政府機関、防衛、金融、特定の産業施設などにおいてニーズがあるGoogle Distributed Cloudに対して、Geminiの実行が可能になることで生成AIの活用を示しつつも
ワークロードにおけるセキュリティ面での強化と性能向上の両方も出してきたという点において、オンプレ環境のニーズに対し的確なアプローチをしてきた印象があります。
ハイブリッド環境ではなく、隔絶したエアギャップ環境ということで、クラウドという括りではなくGoogleのサービスを取り扱うという観点でより大きい可能性に向けて、Google Distributed Cloudの導入もアイレットは全力で取り組みます。