はじめに
今年も「AWS Summit Japan 2025」に現地参加してきました!
2日間にわたるセッションやExpoは、今年も多くの学びと刺激に満ちており、非常に実りのある時間でした。
会場の様子
2日間の開催期間中、特に基調講演の時間帯はひときわ多くの参加者で賑わっていました。
メイン会場の他に、基調講演をリアルタイムで視聴できるサテライト会場も複数用意されていました。
こちらが基調講演会場の様子です。
映像用のドローンが飛び、色とりどりのライトが照らす会場はライブさながらの雰囲気で、自然とテンションが上がりました。
ブースを移動する際に通るゲートにiretの文字を発見!
SWAG関連
個人で初めて 2025 Japan All AWS Certifications Engineersに選出いただいたため、記念品(SWAG)をいただくことができました!
今年は金色のジャケット、ケーブルストラップ、ステッカー、そしてクリスタルのオブジェという豪華なラインナップです。
特に印象に残ったセッション
私が視聴したセッションの中から、特に印象に残った2つのセッションについて、学びが深かったポイントを中心にご紹介します。
[AWS-39]AWS Step Functions で実現するワークフロー自動化 ~大規模処理・エラー制御の実装パターン~
このセッションは、Step Functionsの基本的な解説ではなく、実際のワークフローをコストや設計思想といった多様な観点から改善していく、非常に実践的な内容でした。
内容が濃く、詳細についてはぜひアーカイブ動画でご確認いただくのが一番だと思いますので、ここでは特に勉強になったと感じたポイントに絞ってご紹介します。
現地でも拝聴しましたが、お話しされていた菅原さんのこの冒頭の挨拶が素敵でしたので、アーカイブのキャプチャでご紹介します。
本編とは直接関係ありませんが、目次自体がワークフローになっており、Step Functionsへの深い愛情を感じて、始まる前からワクワクさせられました。
セッションでは、Step Functionsの2種類のワークフロー「Standard」と「Express」について、それぞれの特性とコストを比較し、ユースケースに応じた使い分けが分かりやすく解説されていました。
個人的には AWS Step Functions の組み込み関数を使うことで、そのために作成してたLambdaを削除することができる、というのを初めて知りました。
Step Functions の JSONPath 状態の組み込み関数 – AWS Step Functions
その他にも、実践的なデザインパターンが多数紹介されました。
さらに多くのパターンが Serverless Land の Serverless Workflows Collection にまとめられているそうなので、気になる方はチェックしてみてください。
[AWS-40]AWS サーバーレスにおける Simplexity 戦略
ビジネスの要求に応えようとすると、システムはどうしても複雑になりがちです。その避けられない複雑さとどう向き合い、シンプルさを追求していくか。そんなテーマについて学べるセッションでした。
Simplexity = Simplicity (シンプルさ) + Complexity (複雑さ)
この言葉は、AWS re:Invent 2023でDr. Werner Vogelsが提唱した概念です。
概念自体は知っていましたが、今回のセッションでは具体的な事例と共に解説されており、その本質をより深く理解することができました。
動画はこちら(14:45頃から解説が始まります)
「複雑にならざるを得ない中で、複雑さは消すことはできないが移動はできる」というテスラーの法則が引用されていました。テスラーの法則はUI/UXデザインの文脈でよく用いられるものですが、サーバーレスでも同じように当てはめられることに驚きました。
サーバーレスを選択するとアーキテクチャに任せられる部分を作ることになり、関心を分離できます。
ただし「任せる」ことは、「何もしない」ことではないと紹介されていました。
任せることには管理する責任を負うことを、改めて認識しました。
さらには変化への対応についても紹介されていました。
新しいサービスやアーキテクチャなどテクノロジーの進化も必要ですが、人やプロセスの進化も必要です。
チーム(人)が進化するためには、その進化を阻止する要因が発生しないようにしないといけない。
つまり進化に対応する状況・文化をチーム内で作らなければならない、というのは自分に欠けていた視点でした。
おわりに
AWS Summit Japan 2025は、技術的な知見はもちろん、開発者としてのマインドセットについても深く考えるきっかけをくれる、非常に有意義なイベントでした。
今回得た学びを日々の業務に活かし、より良いサービス開発に繋げていきたいと思います。
ご紹介したセッションの多くはアーカイブ配信もされていますので、ご興味を持たれた方はぜひチェックしてみてください。