新卒社員へ充実した入社後研修を提供することに注力しているアイレット。
その中でも今回ご紹介する新卒社員向けの「アマゾン ウェブ サービス(AWS)研修」は、入社2年目の新卒社員が1年次下の新卒社員に対してレクチャーをする、アイレット独自の研修です。
2年目社員が研修を設計し、実際に教えるというチャレンジングな取り組みは、今年で7年目となり、恒例となっている研修です。
過去の記事はこちら
20卒社員の講師インタビュー前編
20卒社員の講師インタビュー後編
21卒社員の講師インタビュー
22卒社員の講師インタビュー
23卒社員の講師インタビュー
今年は、4月にAWS 様の目黒オフィスにて行った、LT(ライトニングトーク : 短いプレゼンテーション)大会を経て、AWSの勉強に対するモチベーションも高く、
配属直前に、配属後を見据えた実践的なスキルを学ぶという、絶好のタイミングでの実施となりました。
今年度の AWS 研修は、総勢10名の講師と、2名のアドバイザー*で作り上げ、内容もブラッシュアップしています。
*昨年度講師を務めた先輩社員2名が、技術的観点での助言や研修資料の確認、受講者への伝え方といった“受講者目線”でのフィードバックなど、昨年の経験を元に研修設計をサポートしました
今回は、2年目社員が想いを込め、こだわって企画・実施した研修の内容、そして研修講師のコメントをお届けします。
なぜ2年目社員が講師なのか?
外部講師を依頼したり、ベテランエンジニアが担当するのではなく、若手社員が担当するのには、3つの理由があります。
- 2年目社員自身の成長を加速させるため
- 人に教えるためには、インプットした知識を深く理解し、体系的に整理する必要があります。このプロセスが、教える側のスキルを飛躍的に向上させます。
- 複数人でのプロジェクトの中で設計〜実施までを経験し、各々の役割分担、プロジェクト管理、などを実際に経験することで学びを得ます。
- 受講者との距離を縮め、質問しやすい環境を作るため
- 年齢や経験が近い講師だからこそ、受講者は気兼ねなく質問できます。「こんなこと聞いてもいいのかな?」という心理的なハードルを取り除き、主体的な学びを促します。
- 社内コミュニティを活性化させるため
- 研修を通じて、講師と受講者、そしてその周りのメンバーとの間に新しい交流が生まれます。これが、部署を超えた技術共有の文化を育むきっかけになります。
研修内容
研修は3日間にわたり、座学とハンズオンを通じてAWSの主要サービスを習得します。
演習の中で一連の流れを通じて、「クラウドサービス同士をどうつなぐか」といった感覚を身につけてもらいます。
今回の研修のゴールはこちら。
「配属後、インフラ・開発共にスムーズに業務を行うために 基本的な AWSサービス知識やハンズオン経験を身につけること」
ゴール達成に向け、講師全員で研修を練り、当日25新卒社員に向けて研修を行いました。
<研修スケジュール>
- 1日目
AWSの基礎知識から始まり、Amazon VPC(VPC)、Amazon EC2(EC2)、Amazon RDS(RDS)、Elastic Load Balancing(ELB)といったコアサービスを学習します。
セッションの最後には、理解度確認のためのクイズ大会も実施されました。
- 2日目
より実践的な内容に進み、phpMyAdminを用いたRDSデータベース操作、AWS Lambda(Lambda)、Amazon API Gateway(API Gateway)、Amazon Simple Storage Service(S3)、Amazon Bedrock(Bedrock)を学び、最新技術への理解を深めます。セッションの最後には、1日目と同様に、理解度確認クイズ大会が実施されました。
- 3日目
研修の総仕上げとして、LT(ライトニングトーク)大会が開催されます。各グループは、研修の振り返りとして「最も興味深かったセクション」「苦戦したハンズオン」「今後学びたいサービス」「学びを今後どう活かすか」といったテーマから選択し、スライドを作成して発表を行います。
たくさんのこだわりが詰まった研修を設計!
昨年受講者側として研修を受けて感じたことや、配属後、1年間業務に携わり得た知識・経験を活かして、24新卒社員ならではの研修を設計しました。
研修づくりは決して簡単ではなく、準備段階から多くの課題に直面しましたが、それを乗り越えた先にあったのは、講師・受講者双方の大きな成長だったと感じます。
ここからは講師メンバーに聞いた、今年の研修に込めた「3つのこだわり」と、そこで生まれた「成長の連鎖」をご紹介します!
研修後、講師全員で虎ノ門オフィスに集まり、振り返り会を実施しました!
「よかった点」「改善点」「来年に向けて」など話し合い、次年度に活かしていきます。
1. 「学びやすさ」を徹底的に追求した研修資料
今年の研修で最もこだわったのは、「誰一人置いていかない」ことです。
受講者がスムーズに学べるよう、事前準備に徹底的に時間をかけました。
- 用語を理解しやすいフローを導入:事前課題として基礎用語集を配布しました。これにより、研修当日の理解度を格段に高めることができました。
- チームでレビューを実施:作成した講義資料やハンズオン資料は、担当者だけでなく、チームで何度もレビューしました。これにより、表現の曖昧さや手順の抜け漏れを事前に排除し、本番でのトラブルを最小限に抑えました。
- 「つながり」を意識した構成:AWSのサービスは単体ではなく、組み合わせて使うことで真価を発揮します。そこで、ハンズオンではサービス間の連携を意識した構成にし、全体像を理解できるように工夫しました。
2. 「アウトプット」を促す、新たな学びの機会
一方的な講義で終わらせないために、「アウトプット」を促す新たな仕掛けも用意しました。
- クイズ大会:各講義の終わりに、その日の学習内容を復習するクイズ大会を開催しました。個人で得点を競う形式にすることで、楽しみながら知識を定着させることができました。
- LT(ライトニングトーク)大会:研修最終日には、各チームが学んだ内容を発表するLT大会を実施。人に「伝える」ことを通して、知識の定着度を高めるとともに、プレゼンテーションスキルも磨きました。
- 最新技術の導入:今年は、話題の生成AIサービス「Bedrock」を講義に組み込みました。受講者の知的好奇心を刺激し、自主的な学びを促すきっかけとなりました。
3. 「チーム」で挑み、困難を乗り越える
今回の研修は、講師内で「チーム」に分かれて準備を進めたことが成功の鍵でした。
- 主体的なタスク分担:講師10名をインフラ・開発・クイズ/LTの3チームに分け、各チーム内でタスクを分解・分担しました。これにより、チームリーダーを筆頭に各自が主体的に行動し、高い品質の成果物を作り上げることができました。
- 強固な連携:チーム間のコミュニケーションも活発に行われました。特に、当日のトラブル対応では、担当チームの垣根を越えて迅速にサポートし合う体制を構築。おかげで、受講者がハンズオンを完遂できるよう、手厚いフォローを提供できました。
Amazon Bedrockも今年初めて取り扱った内容の一つです。
話題の生成AIの話は25新卒社員もより前のめりに聞いている様子でした!
今年初実施のクイズ大会!正解率は・・高めでした!(すごい!)
挑戦がもたらした、かけがえのない成長
最後に、講師を務めた24新卒社員たちの声をご紹介します。

まず講師に任命され、AWS研修といったブログや登壇とは一味違うアウトプットに心躍りました。
昨年度の研修を糧に、より良い研修を作ろうと心掛けリーダー(PM)という立場で、皆さんを引っ張る気持ちで準備に勤しみました。前年度と比較し、より講義で学んだ内容の「復習」、「定着」に重きをおきつつも自身の実務で得た学びを25卒社員に伝えることができたと思います。
AWS研修の準備、全体の方針などを考え続けた時間の数だけ、新たな視点を得る貴重な経験となりました。
水野 永遠(全体リーダー)
エンタープライズクラウド事業部 構築第一セクション 第二グループ
担当セッション:Bedrock

AWS研修講師を任命され、責任と同時に大きなやりがいを感じました。今年度は前年度より新たな取り組みをいくつかしました!リーダーの水野さんを筆頭にメンバー全員で新たな仕組みづくりを行い、より良い研修を実施することができたと思います!私は研修準備や進行を通じて、知識の整理だけでなく伝え方や進行管理の重要性を学び、今後の業務にも活かせる貴重な経験となりました。講師のみんなや企画運営してくださった皆様に感謝申し上げます!
最後に、研修全体を通してもちろん反省点も多くありました!それらは来年度の研修講師である25卒のメンバーに託したいと思います!
酒井 優成(チームリーダー)
アジャイル事業部 第二開発セクション 第二開発ECグループ
担当セッション:API Gateway

前年よりもブラックボックスを減らすのを目的に資料作成を行ったのに加えて
基本的なAWSのサービスについての説明も前年度から増やしたため、新卒社員のCLF取得に貢献できたと感じています。また、自分自身も基本的なAWSのサービスのいい振り返りになりました。
松井 礼人(チームリーダー)
エンタープライズクラウド事業部 開発第一セクション 第一グループ
担当セッション:RDS

25卒の方々に昨年度のような充実した研修を受けていただき、基礎的なAWS知識を固めて配属してほしいという願いを
講師の立場として任命していただき、無事果たせたと感じたので嬉しかったです!
今年度は、各チームに分担し作業を進めていく形で進行していき、その中でチーム山本のリーダーを務めました!特に振られたタスクを自チームのメンバーに分担する際、メンバーの忙しさを考慮しながら振り無事に完了出来たので、とてもいい経験が出来ました!
山本 麗(チームリーダー)
エンタープライズクラウド事業部 構築第二セクション 第五グループ
担当セッション:AWS基礎知識・LT大会

講義・ハンズオン・単語帳で一貫して基礎知識を補うであったり、ブラックボックスを減らす事を意識した全体構成になったのかなと思います。
講座作成を通じて、ユーザーの目的を満たす状態とは何か考える良い機会になりました。また、講座作成において手戻りを防ぐ為の段取りなども勉強になる事が多々あり、技術的な面以外にも良い振り返り・勉強になりました。
川原 雄登
クラウドインテグレーション事業部 プロジェクトマネジメントセクション AI開発グループ
担当セッション:EC2

ゼロから研修を作る貴重な経験をさせていただきありがとうございます。今年はとにかく誰1人残さないわかりやすい研修を全員で共通認識を持って進めることを大切にしました。
互いを助け合い、気遣うメンバーの姿勢に何度も支えられました。今回培った、共通認識を持ちつつ進捗を管理し、得意分野で補い合う力は、今後のプロジェクト推進にも必ず活きると感じています。
佐藤 夏実
Global Solutions事業部 Engineeringセクション Cloud Ops Management グループ
担当セッション:VPC

自分から手を挙げたものの、正直なところ最初は全然自信がなかったですが、リーダーの水野くんをはじめ、同期の皆さんがPJを引っ張っていってくれたので、最終的には、個人としてもチームとしてもやりたいことが全部できたかなと、とても満足のいく結果になったなと感じます。
研修準備を通して、どう説明すればより伝わりやすいか、どこで躓きやすいかなど、いろいろ考えているうちに自身のAWSに対する理解力が深まっていくことをリアルタイムで実感できました。
25卒の皆さんには、勇気をもって来年のAWS研修講師に挑戦してほしいなと心から思います。
篠原 颯汰
クラウドインテグレーション事業部 SRE第五セクション 第一グループ
担当セッション:ELB、クイズ大会

AWS研修の講師という貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。当初は研修で扱う分野の知識不足から不安がありましたが、何度もハンズオンを重ね、知っている技術も基礎から学び直すことで技術知見を深めることができました。また研修を通して、同期や25卒の方々から作成した資料・プレゼンへのフィードバックを多数もらい、自分では気づかなかった良い点や改善すべき点を知ることができました。この経験で得た学びを今後の業務に活かしていきたいです。
野田 凌志
クラウドインテグレーション事業部 カスタマーサクセスマネージメントセクション サービス開発グループ
担当セッション:phpMyAdmin、LT大会

前年度との変化としてCLIの撤廃と表現の軟化に重きを置きました。イメージのしやすい例え話や猫の写真の挿入など、聞き手がスムーズに内容が入っていくことに注力したのが良かったかと思います。
入社当初の私ではここまで聞き手に寄り添うアウトプットは出来なかったので、1年間の成長を振り返るいい機会にもなりました。研修後のアンケートでもそこに触れられていたので頑張った箇所が評価されて嬉しかったです笑
棟方 秀翔
カスタマー支援事業部 インフラセクション SRE Cグループ
担当セッション:S3

業務でAWSを触ることがあまりなかったので、講師に任命されて驚きました。そのため、私自身も勉強しながら研修を組み立てていく形になりましたが、その分充実した日々を過ごせました。
今年度の研修ではサービス間の「つながり」を意識しました。研修内のハンズオンでAWSの開発系のサービスを利用して一つの成果物を作成することで、サービス間の連関がより分かりやすくなったと思います。
受講者レベルの想定や研修を盛り上げる工夫など、通常業務にない視点が盛り沢山で大変勉強になりました。
森田 健心
第一開発事業部 第二セクション 第一グループ
担当セッション:Lambda、クイズ大会
振り返り会を実施した後はみんなで打ち上げをしました!乾杯!
約半年間にわたる研修設計、お疲れ様でした!
最後に
今回のAWS研修は、「教える」ことが「学ぶ」ことに直結するという、アイレットの文化を象徴する取り組みとなりました。
講師たちは、後輩の成長を支えながら、自らも大きく成長するという、かけがえのない経験を得ることができたのではないかと思います。
アイレットでは、これからも社員一人ひとりの「挑戦したい」という気持ちを大切にし、お互いを高め合える環境づくりを、そして、次世代のアイレットの中核を担う人財を育成するために、人事もチャレンジし続けていきたいと思います!
この記事を読んでアイレットに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページをご覧ください!
新卒採用ページ:https://www.iret.co.jp/newgraduate/
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以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!