はじめに
エンタープライズクラウド事業部の高橋です。
先日、Oracle AI World 2025に現地参加してきました。
今回は、「Innovations and Enhancements in MySQL HeatWave [LRN3309]」に参加しましたので、内容を紹介します。
セッション概要
Innovations and Enhancements in MySQL HeatWave [LRN3309]
Explore cutting-edge advances delivering high availability, disaster recovery, and performance at scale with HeatWave MySQL. Discover how enhanced replication, automated failover, FSDR integration, and streamlined recovery workflows enable near-zero downtime for mission-critical applications. Dive into intelligent tuning with auto indexing, hypergraph optimization, and advanced thread pool management. Gain actionable best practices for monitoring, troubleshooting, and ensuring your environments are resilient, fast, and always-on.
HeatWave MySQL で、高可用性、ディザスタリカバリ、そして大規模なパフォーマンスを実現する最先端の技術を探求しましょう。強化されたレプリケーション、自動フェイルオーバー、FSDR 統合、そして合理化されたリカバリワークフローにより、ミッションクリティカルなアプリケーションのダウンタイムをほぼゼロに抑えることができます。自動インデックス作成、ハイパーグラフ最適化、そして高度なスレッドプール管理によるインテリジェントなチューニングを体験してください。監視、トラブルシューティング、そして環境の耐障害性、高速性、そして常時稼働を確保するための実用的なベストプラクティスを習得しましょう。
Sriram Vrinda, Senior Director, Product Management, Oracle
Sergio Lopes, CTO, Alura
Praveen Sampath, Vice President, Software Development, Oracle
セッション内容
本セッションは、MySQL HeatWaveサービスの最新の機能強化、高可用性(HA)および災害復旧(DR)戦略、開発者生産性の向上、そしてテクノロジー企業であるAlura社の導入事例が主なテーマでした。

MySQL HeatWaveは、OLTP(オンライントランザクション処理)、OLAP(オンライン分析処理)、機械学習とGenerative AI(生成AI)のニーズに対応する単一プラットフォームです。

MySQL HeatWaveのHA戦略
データセンター内(リージョン内)のHAには、Group Replication技術を利用した3ノードのデプロイ戦略が採用されており、単一の読み書きエンドポイントが提供されます。
冗長化により可用性を高めることが可能です。
メンテナンス中のダウンタイムを6倍改善し、10秒未満に短縮したことや、予期せぬシナリオにおける非計画的フェイルオーバーを7倍短縮したという話がありました。
高い可用性を求められるデータベースとしても使いやすいサービスだと思います。

以下の機能もMySQL HeatWaveに搭載されているとのこと
・リソース不足(接続ストールやログストールなど)で動作が遅いノードをクラスターから一時的に削除し、クラスター全体のリソース枯渇を防ぐ機能
・フェイルオーバー時に最新のセカンダリを新しいプライマリとして昇格する
ノードの状態判断や最新のノードを使用する等の機能もあり、冗長構成での運用負荷も削減できそうですね。

MySQL HeatWaveのDR戦略
クロスリージョンDRのスタンバイDBシステムをプロビジョニングするために、チャネルベースのレプリケーションが使用されています。
フロー制御監視によりスロットリングイベントの情報や、アプリケーション設定の不備等によって発生するトラフィックの前後の状況を把握に役立てることが可能です。
マルチスレッド・アプライヤー統計により、レプリケーションのスループットやレプリケーションの遅延の問題を監視できます。
DBA視点でも役立つ機能が提供されているサービスですね。

Alura社の事例について共有がありました。
スケーラビリティ、パフォーマンス、および可用性向上のため、データベースをMySQL HeatWaveに移行し、
可用性の向上に加え、クエリの平均時間を1ミリ秒を超えていたのに対し、移行後は0.2m秒未満に抑えることに成功したとのことでした。
クエリ時間を大きく削減することに成功しており、クエリ速度が求められるデータベースでもMySQL HeatWaveが選択肢に入れられそうです。
まとめ
OLTP/OLAPのニーズを単一プラットフォームで満たせるサービスであることは、MySQL HeatWaveの強みであることに加え、可用性や運用コストを抑えられるサービスであることを知れたセッションでした。
OAWでは、MySQL HeatWaveのセッションも複数行われており、Oracle AI Databaseと同様に力を入れられているサービスという印象を受けました。
MySQL HeatWaveは上記機能意外にもGenerative AI機能等もあり、トレンドであるAI関連のニーズにも対応できるデータベースだと思います!