皆様、こんにちは。
DX開発事業部 クロスイノベーションセクション スマホグループの楊林です。

前回の投稿では、サブプロジェクト、プログラム、ポートフォリオといった、プロジェクトの階層的な構造についてご紹介しました。

実際にプロジェクトを推進する際には、個人で動くよりも、チームとして活動するケースが圧倒的に多くなります。
では、プロジェクトにおけるチーム、すなわち組織の構造は、すべて同じなのでしょうか。

今回の投稿では、プロジェクトにおける組織構造の分類と、それぞれの特徴について解説します。

組織構造タイプ

プロジェクトの組織構造は、主に次の二つの側面に影響を与えます。
それは、資源の可用性と、プロジェクトの実施方法です。

ここで言う資源とは、資金や物資だけではありません。
人的資源、すなわちプロジェクトに参加できる人材も含まれます。

PMBOK では、組織の構造を以下の四つに分類しています。

機能型組織

PMBOK において、一般的な企業で見られる部門のことを機能部門と呼びます。
機能部門は、事業部、課、係、あるいはチームといった単位で構成されます。

そして、それらの機能部門の上長である部長、課長、係長などを、機能部門マネジャーと呼びます。

機能型組織の特徴は、組織全体が機能部門ごとに分割されており、メンバーにとっての直属の上司が、機能部門マネジャーのみである点です。
プロジェクトが終結しても組織構造は変更されず、同じ機能部門で次のプロジェクトに取り組むことが多くなります。

このような組織では、指揮命令系統が明確である一方、プロジェクトマネジャーの権限は弱い傾向にあります。
資源の配分や案件の対応方針は、基本的に機能部門マネジャーに委ねられます。

プロジェクト型組織

機能型組織とは対照的なのが、プロジェクト型組織です。

プロジェクト型組織では、組織全体がプロジェクト単位で構成され、メンバーはプロジェクトマネジャーのみに指揮されます。

このような組織では、プロジェクトマネジャーの権限は強い一方で、プロジェクトが完了するたびに組織が解散・再編されます。
そのため、知識や経験が受け継がれにくいという特徴があります。

マトリックス型組織

マトリックス型組織は、機能型組織とプロジェクト型組織の中間に位置付けられる組織構造です。

構造上、機能部門マネジャーとプロジェクトマネジャーが同時に存在し、メンバーにとって二人の上司を持つことになります。
その結果、比較的に組織構造は複雑になります。

マトリックス型組織は、機能型組織の経験を蓄積しやすい点と、プロジェクト型組織の柔軟性という両方の長所を持つと同時に、リソースの増減にも対応しやすい。
一方で、プロジェクトマネジャーと機能部門マネジャーとの間に対立が生じやすいという新たな課題も抱えることになります。

複合型組織

最後に紹介するのが、これまでの三つの組織構造を組み合わせた複合型組織です。

複合型組織とマトリックス型組織の違いは、必ずしも機能部門マネジャーとプロジェクトマネジャーが、同時に同じメンバーを指揮するとは限らない点にあります。
状況に応じて、組織構造の組み合わせを柔軟に調整できるのが特徴です。

組織構造タイプの比較

組み合わせ型である複合型組織を除き、残り三種類の組織構造について、その特徴を以下の表にまとめました。

組織タイプ 機能型組織 マトリックス型組織 プロジェクト型組織
メンバーの直属上司 機能部門マネジャー 左右両方 プロジェクトマネジャー
メンバーの忠実対象 機能部門 左右両者が競合 プロジェクト
プロジェクトマネジャーの権限 比較的に弱い 左右両者の間 比較的に強い
プロジェクトマネジャーがプロジェクトに使う時間の割合 一部時間 全時間 全時間
チームメンバーがプロジェクトに使う時間の割合 一部時間 一部時間 全時間

最後に

本記事では、PMBOK に掲載されている組織構造のタイプと、それぞれの特徴についてご紹介しました。

プロジェクトマネジャーを目指す方、またはPMP資格取得を検討している方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。