誠実なウェブサイトと聞くと、どんなサイトをイメージしますか?
名前も聞いたことのないサイトは警戒するかもしれませんし、ワンクリック詐欺サイトみたいに明らかなものは不快に感じると思います。
広告で宣伝されている、利用者数が多く誰もが知っている有名なサイトであれば、安心で誠実だと感じる人は多いでしょう。
しかしダークパターンの視点で考えると、利用者数の多いサイトも意外と不誠実なところがあったりします。
今回は2つの記事に渡り、ダークパターンの被害や現状、そしてそれを対策するための制度について紹介していきます。
ダークパターンとは?
例えばオンラインショップやサービスを利用している時に、下記のようなケースに遭遇したことはないでしょうか?
・とある商品を閲覧していたら、「本日限り!今購入すると10%オフ!」といった文言が表示される。
→今すぐ必要ではないのに「買わないと損をする」という心理的プレッシャーを与えられ、冷静な判断を妨げられてしまう。
・定期購入をしている商品を解約しようとしたら、解約画面がなくコールセンターを通さないと解約できない仕組みになっている。
→解約したいのに、解約したいことを人に伝えるというフローが発生し、手間に感じて解約へのストレスを感じる。
・サブスクリプションを登録する際に利用規約が表示されたが、内容が長すぎるのでちゃんと読まずに同意した。
→利用規約に3ヶ月目以降は料金が〇〇になります〜と、料金が変わることを強調せずに書いているケースがあり、後からトラブルになるケースもある。
これらは全てダークパターンに該当します。
ウェブサイトのダークパターンとは「ユーザーをあざむいたり、操作したりして、本人が意図しない行動をとらせるように設計されたデザイン」になります。

また、ダークパターンには7つの分類があります。
分類の詳細については過去の記事にも掲載しておりますので、こちらをご確認ください。
記事:ダークパターンについて
ダークパターン被害の実態
実際、ダークパターンについて周りの人はどう思っているのか、どのくらい被害に遭っているのか、現状についてまとめます。
Webの同意を考えようプロジェクト
Webの同意を考えようプロジェクト
こちらのプロジェクトは、インターネット上での「形骸化した同意(内容を読まずにボタンを押すこと)」や「同意疲れ」を解消し、ユーザーが正しく理解した上で同意できる環境を整えることを目指しています。
また、悪意のあるデザインによって消費者が不利益を被ることを防ぐための活動を行っています。
このサイトに書いてあるアンケート(実施:2024年8月中旬 対象:20代以上のインターネットユーザー500名)によると、
・85.2%の人が内容を理解せず「とりあえず同意」している。
・同意の内容が難しいと感じる人も87.5%達しています。
よくわからないけど同意しようという状況になっている人が多いとわかります。
・さらに、ダークパターンを経験したことある人は86.2%いる。
・ダークパターンの言葉や手法を知らなかった人は62.6%とある。
この結果を見ると「そういうものだと思ってウェブサイトやサービスを利用している」といった消費者もいると考えられます。

ダークパターン・ホットライン報告レポート
第2回 ダークパターン・ホットライン報告レポート
一般社団法人ダークパターン対策協会(NDDA)が発表した最新の調査レポート(第2回ホットライン報告)から、私たちの身近に潜むウェブサイトの「困った設計」の実態が見えてきました。
(第1回、第2回とありますが、第2回が最新なのでこちらを紹介します。)
①状況
レポートによると、特定の業界に限らずにECサイトやサブスクリプション、決済など幅広いサービスで問題が報告されています。
「幅広いオンラインサービスに分散しており、心理的被害や時間的損失が多く発生」とあることから、私たちが毎日使うような便利なサービスの中にも、ダークパターンが紛れ込んでいるのが現状です。
②被害額
報告された被害金額は総額およそ13万円で平均額:約10,000円、中央値:4,500円との結果になっていました。
被害の多くは数千円から1万円程度の「少額」に集中しており、仕方ないなと思える絶妙な金額設定が、結果として多くの人から少しずつ利益を得る構造を生み出している可能性があります。
報告のうち1件、86,400円の高額事案があり、低額に見せた選択肢から実質的に年間サブスクリプションへ誘導され、月額課金が1年間継続していた事例もあったようです。
また、金銭的な被害だけでなく、解約を諦めさせるような複雑な導線は、ユーザーの貴重な時間を奪うだけでなく、ブランドへの信頼を致命的に損なう行為です。
③設計
「解約オプションの非表示・目立たなくさせる」「隠れた定期購入」と継続契約に関する設計がダークパターンを招いているとのことでした。
一つの手口だけでなく、複数のダークパターンを組み合わせるケースが増えています。
これにより、利用者は何が起きているのかを正しく判断するのが難しくなっており、継続契約の透明性確保と解約容易性の担保が必要となっているのがわかります。
最後に
事業者側の売り上げにつながるような設計をすると、消費者側に心理的な不安を与えてユーザーを迷わせてしまいます。
事実、ダークパターンによる不誠実な表現で数千円から数万円の被害に遭っている消費者がいます。
では、具体的にどのような設計が誠実だと言えるのでしょうか?
このようなダークパターン問題が蔓延していることから、認定制度が誕生しました。
2つ目の記事では、その認定制度について紹介していきます。