「KDDIアイレット内製化革命」は佳境を迎え、フロントエンドとバックエンドの API 結合が完了。開発環境がリリースされ、実際に iPad のプロトタイプで動作確認ができる状態にまで到達しました。
第4弾となる今回は、リリース直前で下された決断、そしてこのシステムが KDDIアイレットにもたらす真の価値である「データ分析基盤」についてお届けします。
「リリース日」よりも「品質」を。妥協なき開発チームの決断
実機でのテストが始まると、実際の利用環境ならではの挙動の微調整や、より高い UX を実現するための課題が見えてきました。
3月末のリリースを強行することも可能でしたが、チームが選んだのは「妥協のない品質」への道でした。
「リリースを急いで技術的負債を抱えるより、自動テストの導入やリファクタリングを徹底し、次世代に胸を張って引き継げるシステムを創ろう」
副社長の平野とオーナーの三品によるこの決断は、アイレットの内製化革命が単なるスピード重視ではなく、本質的なクオリティを追求している証でもありました。
社内システムであっても、妥協はしない。可能な限りバグのないシステムと効率化したデバッグを目指し、Playwright を用いた E2E テストの自動化や、API ルートの共通化などバックエンドの大規模なリファクタリングを徹底的に実施しました。
徹底した UX の追求 〜「すぐ利用」ボタンの進化〜
iPad の画面に表示される UI についても、土壇場まで議論が交わされました。 例えば、空いている会議室を次の会議が始まるまで利用したい場合の「即時予約ボタン」。当初は「次の会議まで」という漠然とした表記でしたが、「ユーザーが直感的に最大何時間使えるのかを把握できるべきだ」という指摘が入ります。

最終的に、ボタンには「最長利用」といった表現とともに「最大利用時間(例:120分)」と「終了時刻」を明記するデザインが採用されました 。さらに、手動で画面をリロードできる「更新ボタン」を追加し、連打防止機能も実装するなど、実際のユーザーの動き(UX)を徹底的に想像した改善が繰り返されました。
Looker Studio が可視化する会議室の未来
そして、このプロジェクトのもう一つの真髄がデータ分析基盤です。 Cloud Firestore のデータは BigQuery へとシームレスに連携され、Looker Studio を通じて誰でも会議室の利用状況を可視化できる仕組みが構築されました。

「どの会議室が一番使われているのか」「予約だけして実際には使われなかった(自動キャンセルされた)時間はどれくらいあるのか」。総務部門のメンバー自身が Looker Studio にアクセスし、自由にデータを分析できるよう権限が付与されました。このデータは、将来のオフィス戦略や、さらなる機能改善のための確固たるエビデンスとなります。

終わりの始まり 〜次世代へ繋ぐバトン〜
工事の都合もあり、新オフィスでの本番稼働は5月以降となる見込みですが、若き精鋭たちによるシステムのコア部分は堂々たる完成を迎えました。
「ゼロメンテナンス」を目指し、インフラには Terraform を用いた自動構築と CI/CD が組み込まれ 、運用フェーズはこれから入社してくる新卒社員へと引き継がれ、若手の経験と成長機会に繋げていく予定です 。
生成 AI を駆使し、効率化を考え、ユーザビリティとデータ活用にこだわり抜いた数ヶ月間。
彼らが築き上げたのは、単なる会議室予約システムではありません。それは、AI 時代における KDDIアイレットの「新しいシステム開発のスタンダード」です。
#副社長と社内開発 の物語は、これからも社員の手によって進化し続けていきます。
【次回予告】最終回:システムに魂を吹き込んだ、若き精鋭たちの「生の声」
洗練されたコードとアーキテクチャも、すべては彼らの泥臭い葛藤と挑戦から生まれました。 AI という強力な武器を手に、「ゼロメンテナンス」という目標に挑み続けた開発メンバーたち。
次回の最終回では、「攻める内製化」の最前線を駆け抜け、見事ワンストップエンジニアへと覚醒したプロジェクトメンバー陣へのインタビューをお届けします!
彼らは何を思い、どう壁を越え、そしてこの数ヶ月間でどう「進化」したのか。 未経験の技術へのプレッシャー、度重なる仕様変更、そして副社長からの熱い期待の裏側で起きていた、若手エンジニアたちの“本音”を余すところなく語ってもらいます。
テクノロジーの影にある、熱狂と成長の人間ドラマ。 新オフィスの幕開けと共に語られる、必見のフィナーレをご期待ください!