こんにちは、ヤマダ(北野)です!
この記事ではAWS Summit Japan 2026のKDDIアイレットブースで展示していた次世代フィジカルAIデモについて、構成を振り返って解説していきたいと思います。
フィジカルAIやAWSのIoT系のサービスに興味のある方はぜひご覧いただけますと幸いです🙇♂️
はじめに
KDDIアイレットの次世代フィジカルAIデモとは
昨年の工場IoT展示のワクワク感をさらに進化させ、今年は今もっとも注目されている要素技術フィジカルAI(Physical AI)をいち早く具現化しました。自然言語の指示だけでAIが自ら状況を判断し、物理的なロボット制御までを一気通貫で行うというシステムです。
「ブースで見たけど、裏側はどうなっていたの?」「どんなAWSサービスを組み合わせているの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、この宇宙未来配送デモを支えるアーキテクチャと、開発の裏側にある技術的ポイントを解説します✊
宇宙未来配送デモの全貌:自然言語でロボットが動く未来の物流
まずは、ブースで展示したデモの概要をおさらいしましょう。今回の展示は大きく分けてジオラマ・司令画面・ダッシュボードの3つで構成されています。
月面を模した近未来ジオラマ

迫力ある特設展示台の上に月面をイメージしたクレーターや数字を振った配送拠点が配置されています。この空間をロボットアームを搭載した自動走行車(ロボットカー)が自律的に荷物(コンテナ)を運びます。
チャットで指示を出す司令画面

オペレーターが操作する画面は、親しみやすいチャットインターフェースになっています。
例えばユーザーが「地点01の『gaipack』コンテナを地点04へ配達してください。」と自然言語で入力します。すると、AIが即座にその意図を汲み取り、タスクを分解します。
「地点01へ移動します」「右側のコンテナ置き場の画像を取得します」「『gaipack』コンテナが存在することを確認、ロボットアームで掴みます」といったプロセスを自律的に判断し、チャットに状況を出力しながら物理的な移動・操作を開始します。
運行状況をリアルタイム監視するダッシュボード

ロボットカーのバッテリー残量、走行距離、移動方向、現在の運転状態(走行中/停止中)は、すべてAWS上のGrafanaダッシュボードで一元管理。過去の配送開始時刻やコンテナ名、配送の「成否(成功/失敗)」といった実績データもリアルタイムにテーブルへと吸い上げられます。
Amazon Bedrock と SmolVLA
今回のデモの未来感は認知・判断を司る上位レイヤーと物理制御を司る下位レイヤーで、2つのAI(LLM/VLA)を最適に組み合わせたハイブリッド制御を行っている点にあります。
上位レイヤー:Amazon Bedrock(Amazon Nova)
人間の「~へ運んで」というアバウトな自然言語の指示を解釈し、行動計画への落とし込みや、荷物の画像認識といったインテリジェントな高次処理を担当します。
下位レイヤー:SmolVLA(Vision-Language-Action Model)
ロボットの具体的なサーボモーターやアームの動作制御を行います。ロボットカーから取得した「画像データ」+「制御データ」を組み合わせて事前にファインチューニングを施しています!
全体システム構成図
では、このシステムがどのようにAWSと連携しているのか、最も気になるアーキテクチャの全貌をのぞいてみましょう!

チャットAIエージェントの基盤には Dify を利用し、ここからクラウド側の Amazon Bedrock(Amazon Nova)を呼び出して上位推論を行います。また、コンテナを掴む際の物理制御を行う SmolVLA は、クラウド側でトレーニングされたのち、AWS IoT Greengrass を介してエッジPC内にコンテナとしてデプロイ。ローカル環境で低遅延な推論を実行しています。
クラウド側では、データの蓄積・分析・可視化、そしてAIの学習パイプラインが構成で組まれています。
ROS2が走行中に収集した位置やバッテリーなどの各種データは、クラウドの AWS IoT SiteWise へとストリーミング蓄積。それを Amazon Managed Grafana でリアルタイムダッシュボード化しています。
さらに今回のトレンド技術として、Amazon Bedrock Agent Core を使って MCPサーバーを構築! AWS IoT SiteWise に蓄積されたデータを、MCP 経由で Amazon QuickSight へとシームレスに連携させ、高度なデータ分析・トレンド抽出を行える構成に仕上げました。
まとめ
昨年の工場IoT展示ではデータの可視化と制御に重きを置いていましたが、2026年の今年は生成AIエージェントが自ら考えて物理世界を動かす(フィジカルAI)という一歩先の未来をお届けしました。
自然言語による指示、エッジとクラウドのハイブリッドなAI推論、そしてMCPを活用した高度なデータ分析まで、最新トレンドを凝縮したKDDIアイレットらしいアーキテクチャに仕上がっています!
AWS IoTと生成AIを組み合わせた新規事業を立ち上げたいといったご相談がございましたら、ぜひKDDIアイレットまでお気軽にお問い合わせください。
以上、AWS Summit Japan 2026「宇宙未来配送デモ」の裏側解説でした!