2024年9月7日(土)に開催された「アクセシビリティカンファレンス名古屋」にオンラインで参加しました!
イベント概要
「『アクセシビリティと共にある未来』をみんなで築く。」のスローガンのもと、
モノづくりにアクセシビリティの視点を加えることでさらなる発展、より良い社会をつくることを考えるイベントです。
見どころ・所感
イベント自体のアクセシビリティも気が遣われている
アクセシビリティを題材にしたイベントなだけあって、
このイベント自体もアクセシビリティに気を遣っていました。
リアルタイム字幕を閲覧できるサービスであるYYSystemの活用や
通常配信と情報保障版(リアルタイム字幕を画面に表示している)の2種類でのYouTube配信など、
手厚い情報提供になっていました。
さまざまな視点からのアクセシビリティを知ることができる
以下の発表タイトルの通り、文字起こし、色使い、HTMLコーディングはもちろん、
アクセシビリティという直接利益に結びつきづらい要素を
いかに社内外に納得してもらい実現するかという視点の発表もありました。
- 意思疎通支援システムYYSystem 〜インクルーシブデザインの実践と開発品のご紹介〜
- 誰もが親しみやすい色使いへ カラーパレットのアクセシビリティ改善の流れ
- 受託制作ウェブアクセシビリティ現場最前線
- 「人にやさしい情報発信」をめざして~花王の4年間のウェブアクセシビリティの道のり~
- 社内を動かすアクセシビリティ戦略
- アクセシビリティでキャリアを築く
一口にアクセシビリティに関するイベントといっても、
さまざまな視点からの意見を聞くことができたため非常に参考になりました。
今、アクセシビリティに取り組む理由
「意思疎通支援システムYYSystem 〜インクルーシブデザインの実践と開発品のご紹介〜」(中村 正樹 氏:株式会社アイシン YYSystem開発プロジェクトリーダー)であがった、
「障害とは何か」というトピックがあり特に印象に残りました。
障害者とは、少数派の人々であるという見方があります。
例えば車椅子の方々にとって階段を登ることは難しいですが、
天井の低い道をかがまずに進むことができます。
一方、健常者にとって階段を登ること簡単ですが、
天井の低い道はかがまなければ進めず、障害(ハードルの高さ)を感じます。
このとき健常者は、「自分に障害がある」(個人モデル)のではなく「社会側に障害がある」(社会モデル)と考え、
「この道は天井が低いから高くしよう」というような社会モデル的な課題解決を図ります。
しかし、階段は十分に使える社会システムなので、これに手を加えようとはしません。
このような社会モデル的な課題解決のアプローチを「障害者」の目線に立って広く適用するべきだと語られていました。
国内において、少子高齢化、海外からの観光客の増加などにより多数派の特徴は変化していきます。
老化や病気、事故により個人が一転して少数派となることもありえます。
今の「健常者」が将来の「障害者」になる前に、
今の「障害者」の目線に立って社会側のシステムの問題を広く定義して改善していくことが、
将来の発展とより良い社会につながると思いました。
終わりに
本イベントを開催するきっかけとなったイベント「アクセシビリティカンファレンス福岡」が
2024年11月30日(土)にオフライン/オンラインともに開催されるようです。
(私は名古屋のイベントを先に知った)
本記事でアクセシビリティに興味が出た方は参加してみてはいかがでしょうか。