※本記事は、2025年12月時点の情報に基づいて公開しています。
はじめに
−「Amazon RDS for PostgreSQL 13 の標準サポート終了」−最近、AWS からそんなお知らせが届いた方はいませんか?
この通知を受けて、私たちの元にも 「通知が届いたけれど、具体的に何をすればいいの?」 「もし更新せずに期限を過ぎたらどうなる?」 「今のまま使い続ける方法はない?」 といったお問い合わせが多数寄せられています。
そこで今回は、こうした疑問にお答えするため、この通知の内容に加え、Amazon RDS for PostgreSQL の延長サポートの仕組みや料金・スケジュールについて解説いたします!
この通知ってなに?
現在ご利用中の PostgreSQL 13 の「標準サポート」は、2026年2月28日をもって終了します。これに伴い、以下の対応が必要となります。
- 期限: 2026年2月28日まで
- 必要な対応(以下のどちらか)
- 新しいバージョン(PostgreSQL 16 など)へアップグレードする
- 延長サポート(有償)を有効化し、利用を継続する
本通知は、「期限内でのアップグレード」または「費用を伴う延長サポート」のいずれかをご判断いただき、期日までに必要な対応を行っていただくための重要なお知らせです。
メジャーバージョンアップグレードを実行するにはどうすればいい?
RDS for PostgreSQL 13 を継続して利用する特別な要件がない場合は、標準サポートが終了する2026 年 2 月 28 日より前に、データベースを新しいメジャーバージョンへアップグレードすることを推奨します。
手順については、以下の公式ドキュメントをご参照ください!
・RDS for PostgreSQL のメジャーバージョンアップグレードを実行する方法
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonRDS/latest/UserGuide/USER_UpgradeDBInstance.PostgreSQL.MajorVersion.Process.html
Amazon RDS 延長サポートとは?
重要なシステムにおいては、何よりも安定稼働が求められるため、無理にバージョンアップを実施せず、引き続き、今のバージョンで運用したいと考える方も多いかと思います。
Amazon RDS の延長サポートを利用することで、追加料金は発生しますが、RDS の標準サポート終了日以降も、引き続き現在使用中のメジャーエンジンバージョンでデータベースの運用が可能となります。
RDS 延長サポートでは、以下の更新とテクニカルサポートが提供されます。
- データベースエンジンを含む DB インスタンスまたは DB クラスター(データベースエンジンを含む)に対する、深刻度が「緊急」および「高」の CVE へのセキュリティ更新
- 重大な問題に対するバグ修正およびパッチの適用
- 標準の Amazon RDS サービスレベルアグリーメント (SLA) の範囲内における AWS テクニカルサポート
▼注意▼
利便性が高い反面、延長サポートを利用している間は、継続的に相応の費用が発生します!!!
気づかないうちに延長サポートへ自動的に切り替わり、突然の高額請求に驚かれる方もいらっしゃいます。くれぐれもご注意ください!また、料金について詳しくは、以下の弊社ブログや公式ドキュメントもご参照ください!
・Amazon RDS 延長サポート料金
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonRDS/latest/UserGuide/extended-support-charges.html
・Amazon RDS for PostgreSQL pricing
https://aws.amazon.com/rds/postgresql/pricing/
延長サポートを利用したいけれど、どうすればいいの?何もしないとどうなる?
DB インスタンスの作成時や復元時にRDS 延長サポートを有効にしている場合、標準サポート終了日を過ぎると自動的に延長サポートへ登録されます。
その際、標準サポート終了日以前にリリースされた最新のマイナーバージョンを実行していなければ、最新のマイナーバージョンへの自動アップグレードが行われます。(この処理は標準サポート終了日が過ぎるまでは実施されません。)
また、逆にRDS 延長サポートが無効の場合は、RDS の標準サポート終了日以降に、サポートされるメジャーエンジンバージョンへ自動的にアップグレードされます。
これらは復元時の動作にも影響しますので、併せてご注意ください!
次の表は、メジャー エンジンバージョンが RDS の標準サポートの終了に達した場合に、何が起こるかをまとめたものです。
| RDS 延長サポート ステータス | サポート終了後何が起きるか? |
|---|---|
| 有効 | RDS 延長サポートに対して料金が発生します。 |
| 無効 | DB インスタンスまたはマルチ AZ DB クラスターを、サポートされているエンジンバージョンにアップグレードします。このアップグレードは、 RDSの標準サポート終了日以降に実施されます。 |
・Amazon RDS の Amazon RDS 延長サポート
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonRDS/latest/UserGuide/extended-support.html
・Amazon RDS 延長サポートでの DB インスタンスまたはマルチ AZ DB クラスターの復元
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonRDS/latest/UserGuide/extended-support-restoring-db-instance.html
スケジュールについて
2025年12月現在、以下のスケジュールが公開されています。
・Release calendars for Amazon RDS for PostgreSQL
https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/PostgreSQLReleaseNotes/postgresql-release-calendar.html#Release.Calendar
| Postgre SQLメジャーバージョン | RDSのリリース日 |
RDS 標準サポート終了日 | RDS 延長サポート価格設定開始(1 年目) | RDS 延長サポート価格設定開始(3 年目) | RDS 延長サポート終了日 |
|---|---|---|---|---|---|
| PostgreSQL 11 | 2019年3月13日 | 2024 年 2 月 29 日 | 2024 年 4 月 1 日 | 2026 年 4 月 1 日 | 2027 年 3 月 31 日 |
| PostgreSQL 12 | 2020年3月31日 | 2025 年 2 月 28 日 | 2025 年 3 月 1 日 | 2027 年 3 月 1 日 | 2028 年 2 月 29 日 |
| PostgreSQL 13 | 2021年2月24日 | 2026 年 2 月 28 日 | 2026 年 3 月 1 日 | 2028 年 3 月 1 日 | 2029 年 2 月 28 日 |
| PostgreSQL 14 | 2022年2月3日 | 2027 年 2 月 28 日 | 2027 年 3 月 1 日 | 2029 年 3 月 1 日 | 2030 年 2 月 28 日 |
| PostgreSQL 15 | 2023年2月27日 | 2028 年 2 月 29 日 | 2028 年 3 月 1 日 | 2030 年 3 月 1 日 | 2031 年 2 月 28 日 |
| PostgreSQL 16 | 2023年11月17日 | 2029 年 2 月 28 日 | 2029 年 3 月 1 日 | 2031 年 3 月 1 日 | 2032 年 2 月 28 日 |
| PostgreSQL 17 | 2024年11月14日 | 2030年2月28日 | 2030年3月1日 | 2032年3月1日 | 2033年2月28日 |
| PostgreSQL 18 | 2025年11月14日 | 2031年2月28日 | 2032年3月1日(※) | 2033年3月1日 | 2034年2月28日 |
※公式側の誤記の可能性あり
アップグレードを行う際は、予期せぬ不具合に備えて十分に検証を行い、余裕を持ったスケジュールで進めることを強く推奨いたします!
まとめ
最後に、公式ドキュメント参照時の注意点です。 特にスケジュールに関する情報などは、日本語版よりも英語版のほうが更新が早く、内容がより正確な場合が多くあります。そのため、可能な限り、英語版もあわせて確認することをお勧めします!
今回は、Amazon RDS for PostgreSQL 13 の標準サポート終了についてご紹介しました。
本記事が参考になれば幸いです!