はじめに
cloudpackサポートです。
AWSのサービスアップデートにより、ユーザー自身でAWSコンソール操作により「Elastic IP (EIP) 」を別の AWS アカウントに移行(転送)できるようになりました。
詳細は下記参考ドキュメント[1]「Amazon Virtual Private Cloud (VPC) が、AWS アカウント間の Elastic IP アドレスの転送をサポートするようになりました」を参照ください。
これまでは、EIPを別のAWSアカウントへ転送するには、転送元および転送先AWSアカウント両方でサポートケースを申請する必要がありました。
そのため、EIP転送完了するまでにおよそ2週間程度要しておりました。
今回のアップデートでサポートケース申請の必要がなくなり、AWSコンソール画面より簡単に転送(転送)を行えるようになりましたので設定方法と注意点をお伝えします。
なお、EIPの別AWSアカウントへの転送にあたり、AWS利用料金は発生いたしません。
設定方法
転送元アカウント(A)作業
1,「EC2」→「EIP」から送りたいEIPをクリック、「アクション」→「転送の有効化」を選択
2,転送先のアカウントを「転送アカウントID」に入力後、「有効化」を入力し送信
3,これで転送元アカウントでの作業は完了です。対象のEIPには転送の有効期限が設定されます。
(※ 有効期限までに転送を完了しなければ無効になるのでご注意ください。)
転送先アカウント(B)作業
3,「EC2」→「EIP」から送りたいEIPをクリック、「アクション」→「転送を承諾」を選択
4, 「アドレス」に転送を行いたいEIPを入力し送信を押す
5,作業完了
転送後の転送元アカウント(A)
6,転送後、転送元アカウント(A)のEIPは転送され表示されなくなります。
注意事項
- 転送を有効化後、期限内に承諾の必要あり
- 転送する EIP が リソースに関連づけられていると、転送できない
- 転送する EIP に逆引き設定されていると、転送できない
- 同一AWS Organizations 組織内のアカウントか、組織外のスタンドアロン AWS アカウントに転送可能
- 同一 AWS リージョン内でのみ転送可能
EIPが既に関連付けられていたり、逆引き設定が入っていると転送できません。 そのため、単体構成のServerなどで移動したい場合には先に解除が必要となるため、
公開Serverの場合にはメンテナンス時間が必要になるのでお気をつけください。
詳細は下記参考ドキュメント[2]「Elastic IP アドレスを VPC 内のリソースに関連付ける」を参照ください。
まとめ
簡単にEIPを転送することができました。
なれないサポートケース起票を行わずに、コンソールからできるのはありがたいですね。
DNSのレコード変更や、別サーバーとの連携部分がEIP指定の場合、書き換えないでいいのは助かりますね。
転送の際は是非ご活用ください。
参考ドキュメント
[1]Amazon Virtual Private Cloud (VPC) が、AWS アカウント間の Elastic IP アドレスの転送をサポートするようになりました
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/10/amazon-virtual-private-cloud-vpc-transfer-elastic-ip-addresses-between-aws-accounts/
[2]Elastic IP アドレスを VPC 内のリソースに関連付ける
https://docs.aws.amazon.com/vpc/latest/userguide/vpc-eips.html
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