こんにちは!DX開発事業部でPMアシスタントをしております、杉本です。
Claude Codeのコーディングレベルが話題になっていますが、今回は実験的に、システム開発の上流工程を生成AIに任せてみる試みを行いました。
要件定義の整理から、解決策の提案、さらに図解までを依頼してみました。
結論から言うと、「一案として十分に使える」レベルの成果が得られました。
試したこと
以下のような流れで実施しました。
1. 要件定義会議の録画をNotebookLMにアップロード
まずは、要件定義の会議を録音・録画したデータをNotebookLMにアップロード。
NotebookLMは1ファイル200M未満の制限があります。音声のみ対応しているため、録画から音声ファイルに変換してサイズを小さくしてからアップロードしました。
2. NotebookLMに要件を要約させる
アップロードした音声データを元に、NotebookLMに要件の要約を依頼しました。
箇条書き形式で、内容の抜け漏れなく整理されており、非常に効率的でした。
3. Claude Codeに要約を入力し、必要があれば質問するよう依頼
次に、要約した内容をClaude Codeに入力。プロンプトには以下のような指示を記述しました
この要件に基づいてシステムの設計を行ってください。
設計のために不明な点や確認すべきことがあれば質問してください。
すると、Claude Codeから的確な質問が返ってきました。
こちらの意図や抜けていた仕様を補足するよい機会になりました。
4. Claude Codeの質問に回答
Claude Codeからの質問には、その場で回答。
いわばAIとの「設計ディスカッション」が進んでいくイメージです。
5. 解決策をMarkdown形式で出力
すべての情報が揃った後、Claude CodeにMarkdown形式で解決策を出力してもらいました。
構成も整っており、そのまま社内共有資料として使えるレベルの品質でした。
6. 解決策をdraw.io用のXML形式で図示
さらに、解決策をdraw.io用のXML形式で図示してもらいました。
シーケンス図や構成図など、視覚的に分かりやすい図をすぐに生成できたのは非常に便利です。
ちなみに、自分なりに考えた解決策を箇条書きにしたうえでそれを図示するようプロンプトに指示したときは、使い物にならない図が完成しました。
Markdown形式のほうが理解しやすいのかもしれませんね。
結果:実運用でも“アリ”なレベル
現行システムとの整合性において一部手直しは必要でしたが、初期提案としては非常に優秀なアウトプットが得られました。特に、以下の点が印象的でした。
- 要件に対する理解力が高く、曖昧な部分は質問で補完
- Markdown出力が構造的で読みやすい
- XML図解は、そのまま設計資料に転用可能なレベル
今後の活用の可能性
今回はあくまで「実験」的な利用でしたが、下記のような用途では今後も活用できそうです。
- 初期設計案のたたき台として
- 他チームとの認識合わせ用の資料作成
- 新人エンジニアへの設計プロセスの共有
今後は、より複雑な要件や、非機能要件も含めた対応がどこまで可能かを試していきたいと考えています。