はじめに

私は20年以上、ホテル業界の最前線でお客様と向き合い続けてきました。特に、当時担当していたホテルの立ち上げプロジェクトでは部門責任者として順調にキャリアを積み上げていたんです。でも、そんな時にコロナが世界を襲ってきて、あっという間にホテル業界は大打撃…。いわゆる青天の霹靂..人生のターニングポイントでした。

そんなわけで、長年従事したホテル業界を離れることを決意し、ITインフラエンジニアへの道を選ぶことにしたんです(39歳での挑戦!)。このブログでは、コロナ禍での決断、IT業界への挑戦、そしてアイレットに入社してからの2年間、そしてこれからのエンジニアとしての未来についてお話しします!

コロナ禍の衝撃と業界の脆弱性を実感

力を注いで1年以上かけて立ち上げたホテルプロジェクトが、まさかコロナのせいで開業1年も経たずに休業なんて…まさに想定外。。今まで経験したことのない状況に直面しながら、ホテル業界ってこんなに脆いんだ…って初めて気づかされたんですよね。「コロナが終わっても、また他の災害とか疫病が起こったらどうするんだろう?」って強い危機感を持つようになりました。

それまで全力で仕事に打ち込んできた私が、突然立ち止まらざるを得ない状況に。「この先の自分のキャリアは本当に今のままでいいのか?」と悩みに悩んだ日々でした。こんなに強制的に立ち止まるなんて、人生でもそうそうない経験です。

スキルセットの見直しとIT業界との出会い

外出制限が続く中で、自分と向き合う時間が増えたこともあり、「この先の自分に必要なスキルって何だろう?」と真剣に考え始めました。いきなりITに向いたわけではなく約1年かけてファイナンス、マネジメントなどいろいろ学んでみたんですが、特にIT業界に興味を持ったんですよね。ネットワークやセキュリティの基礎を学ぶうちに、「この分野、めちゃくちゃ面白いじゃん!」って感じて、もっと深く知りたいという気持ちが湧いてきました。

ただし39歳で家族もいる身なので、いきなり異業種に飛び込むのはやっぱり怖かった。でも、「まずはやってみよう!」ということで、ITパスポートの資格取得に挑戦してみました。最初は分からないことだらけで難しかったけど、それだけに達成感もひとしお。勉強していくうちに、「この道でキャリアを再構築してみよう!」という気持ちが固まってきました。

AWSとの出会いと本格的な学びへの挑戦

「よし、本気でやるぞ!」と決意して、IT関連のスクールに通うことに。そこで選択肢に出てきたのがJavaとAWSだったんです。AWSについて調べていくと、その柔軟性や将来性にすっかり魅了されました。クラウドってすごいな、と。特にホテル業界でオンプレミスの限界を感じていた私にとっては、AWSの柔軟さとスケーラビリティが魅力的に写りました。「これだ!」と思ってAWSコースを受講することを決意。

アイレットとの出会いと転職活動

私が所属する大阪オフィスの様子はこちら!

スクールで学んでいるときに、卒業生の方の投稿を見て「アイレット」という会社の存在を知りました。AWS プレミアティアサービスパートナーで、しかも未経験者も採用してるって聞いて、「ここしかない!」と直感。直接DMを送って詳しい話を聞かせてもらったんですけど、それが転職を決断する後押しになりました。

その後、順調に仕事をしながら空き時間は学習の日々。通勤の時間や早朝・帰宅後の時間も全て学習に充てていました(それでも課題を終えていくのにギリギリ)ある程度課題が進んだ段階でアイレットの技術勉強会「雲勉」や転職イベントの「クラウド万博(今年の様子はこちら)」、「カジュアル面談」などを通じて、アイレットって本当に「人」を大切にする会社なんだなって改めて実感。背水の陣で挑み最終的に内定の連絡をいただいたときは、本当に嬉しかったのと心から安心したのを今でも覚えています。

入社してからの2年間の歩み

転職してからの半年間は、まさに試練の連続!スクールで学んだAWSの知識とは別に業界のルールやITの知識をゼロから学び直す必要があって、頭がパンクする毎日でした。でも、ホテル業界で学んだ「まず行動する!」という姿勢が、エンジニアとしても活きてきたんですよね。少しずつですが、スキルを身につけていくことができました。

幸運なことに半年後には、グループのリーダーを任されるようになり、お客様との案件対応、運用保守チームの環境整備などなど刺激的な日々を送りました。2年目にはそこからさらにタスクや責任範囲を拡張させより責任ある立場で組織へ貢献する日々です。特に障害対応のときには、ホテル時代に培ったお客様目線での対応が役立ち、クライアントからの信頼も得ることができました。

インフラエンジニアに求められる未来

AIの躍進により我々インフラエンジニアの業務や未来も変わってきているのは間違いありません。ただAIに完全に仕事を奪われるのではなくAIと共存し人間だけでは実現できなかったレベルの品質の保持や効率化などいいとこ取りで価値を高めていく方向へ向いていると個人的に思っています。そんな中でも我々運用保守チーム(MSP)に求められるのは何かを紹介します。

自動化の推進

対応プロセスの自動化に加え、生成AIによるログ分析やトラブル対応など、複雑なタスクも自動化されるため、エンジニアはAIツールを活用できるスキルが必要になります。具体的には自社開発のAMS・ PagerDuty のAI機能や自動化機能をより活用していくイメージです。特にPagerDuty AI Ops機能は従来のインフラエンジニアが人力でトリアージや調査していた内容をAIが過去の事例やデータから分析・解析し障害対応から復旧までの回復時間の短縮に活かせる機能が満載。さらにそのデータからポストモーテムなどのレポートを生成し次の障害に備えることも可能になってきています。

PagerDuty AIOPS

AI(人工知能)と機械学習を活用して、インシデント管理や運用の効率を向上させる機能を提供するソリューションです。企業の運用チームがシステム全体の可観測性を高め、アラートのノイズを削減し、インシデントへの対応を迅速化するために設計されています。

PagerDuty Advance

AIを活用してインシデント管理を効率化し、自動化するサービスです。リアルタイムでのインシデント状況の説明や対応策の提案、トレンド分析によるインシデントの予防、多言語対応による使いやすさが特徴で、組織の迅速かつ的確なインシデント対応をサポートします。

オブザーバビリティの強化

オブザーバビリティとは、システムの内部状況を把握する能力を示す指標で、システム全体を監視し、データを分析して問題を迅速に検知・解決することを目的としています。従来のモニタリングとは異なり、システム全体の状態やトレンドを理解し、潜在的な問題を予防的に対応することが可能です。これにより、複雑なシステムでも安定した運用や開発と運用の連携強化が期待されます。

New Relic:オブザーバビリティとは?監視との違い、必要性について解説

簡単にいうと今までの保守は風邪を引いたから病院に行く、これからの保守は風邪をひきそうな兆候があれば風邪ひく前に抑えるように持っていく。みたいなイメージです。つまりシステムがダウンしてから対応するのではなく、ダウンしそうな兆候を検知して先に対処してしまおう!ということですね。

詳しい内容については、ぜひ弊社遠藤と蓮沼の対談記事をご覧ください。

キーワードは「自動化」「生成 AI」「内製化支援」cloudpack が MSP の新しいスタンダードをつくる

そんな私が仕事をする上で大事にしている3つのこと

まずは一歩踏み出し、コケるなら前向きに

ITエンジニアの仕事って、毎日新しい情報や技術に出会うんです。最初は「これはどうすべきなんだ?」となることも多いですが、そんな時こそ「とりあえずやってみよう!」って気持ちで進めてます。仮説を立ててそのための公式ドキュメントからエビデンスを取り実際に検証してみる。例え失敗しても「なるほど、こうやるとダメなのか」って学びになるし、その経験をチームにシェアできるのも楽しいんです。問題にぶつかっても「次はどうする?」って前向きに考えるのが大事。課題から逃げずにそこからどう立ち上がるかがエンジニアとしても人間としても成長の鍵だと思ってます!

1人よりも「チーム」で達成することに喜びを感じる

私がいるMSPセクションは24/365の運用保守チーム。そもそもチームで協力してやっていく前提なので一人で全部は無理!だからこそチームプレーがめちゃくちゃ大事です。日々の運用保守作業もそうですが、例えばシステムの移行作業があったとき、みんなで役割分担して「ここは任せた!」って感じでやるんですよね。そして、プロジェクトがうまくいったときは「みんなお疲れ様!」って感じで、最高に達成感を味わえます。ホテルと同じように一人でできることなんて限界があるし拡張性も低い、みんなでやり遂げると本当に嬉しさ倍増です!

「人」とのご縁を大事にすること

ITのエンジニアってパソコンと睨めっこしてるイメージありませんか??実はめっちゃ人と関わる仕事なんです。お客様の要望を聞いて「こうしたらもっと良くなりますよ!」って提案するのも仕事だし、チームや他部署と連携することも多いです。ホテル業界で「お客様に寄り添う」ことを学んできたので、お客様のニーズにしっかり応えたいって気持ちは今も変わりません。何かあったときに「またアイレットに頼みたいな」って思ってもらえるように、テキストがベースですが毎日コミュニケーションを大事にしてます!

まとめ

こうして約2年の軌跡を振り返るとコロナ禍の逆境を乗り越え、ホテル業界からITインフラエンジニアへと転身を果たした日々は、冗談抜きに決して平坦な道のりじゃありませんでした。でも、その経験があったからこそ、今の自分があるし、新しい自分の可能性を見つけることができました。

AIが加速度的に進化している世界ですが、どの業界でも結局は「ヒトとヒトがつながり、価値を生み出す」ことが大事だと思っています。それを忘れなかったからこそ、今こうしてエンジニアとしての未来を切り開けているんだと思うし、これからも技術と人とのつながりを大切にもっと成長していきます!

おまけ

おまけとして今年8月のPagerDuty on tour2024でLT登壇させてもらった際にペイジー君と!LTといえど世界的なイベントで登壇できるチャンスが自分次第で叶うチャレンジングな環境!

【PagerDuty on Tour TOKYO 2024】MSP × Operations Consoleの活用法

アイレットは「やってみたい!」と手を挙げたら全力で応援してくれる環境が整っています。我こそは!と思った方はぜひ一緒に働きましょう!

それいけMSP! – 次世代MSPを目指して、未経験から挑戦できる環境がここにある!