こんにちは。アイレットデザイン事業部ディレクターの木村です。アイレットデザイン事業部ではINSIDE UI/UXをテーマに、各メンバーがデザインやマークアップ、SEO、アクセシビリティ、UI/UXなどの知見や学びを幅広く発信しています。
また、ヒト(ユーザー)の視点・行動をもとにデザインへと展開する「人間中心設計(HCD=Human Centered Design)」を学ぶ「UX研」を定例で実施し、個人やグループでのワークを通してスキルを磨いています。
今回は、UX研の課題「ペルソナ設定」で質問の挙がっていた項目をまとめ、私自身のペルソナ作りの経験も交えながら「3つ」のコツを紹介します。
【1】どんな情報(要素)を設定するか
どんな人物像にするか、それを一から考えていくのは大変ですよね。そこで、ペルソナ設定に便利な項目を絞ってみました。
基本情報
まず、ペルソナの根幹となる情報として挙げられるのは概ね下記の項目ではないでしょうか。
- 氏名
- 年齢(年代)
- 居住地
- 職種
- 年収
- 性格
- 家族構成
付加情報
こちらは、ペルソナの思考や行動に具体性を持たせ、接点や訴求内容を考えるうえで役立つ項目です。
- 自己や家族を取り巻く状況(例. 実家暮らし、転勤族、育児に奔走中など)
- 趣味・関心
- 利用デバイス
- 利用メディア
- 利用サービス
- 利用SNS
- ITリテラシー
- 休日の過ごし方
- どういう時にWEBサイトを訪問するか?
- どういう時に「商品 or サービス」を使うか?
- 現在の悩み
- 悩みとの向き合い
▼参考:課題「ペルソナ設定」のフォーマット
もちろん、これらを全部詳細に考える必要はありません。人物像が把握できること、アプローチ方法を検討するための情報が揃っていることが重要です。
ちなみに、具体的に早くペルソナ設定をする方法や、ChatGPTを活用してみたケースも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【2】人となりの作り込み方・役立つ情報
ペルソナの性格、行動の特徴、抱えている悩みといった、いわゆる「人となり」を決める際に役立つ情報やデータの例と入手方法を列挙します。
定量的な統計データや客観的なデータから根拠あるペルソナ設定を行いましょう。
クライアントから提供される「一次情報」
- Google Analyticsなどのサイト解析ツールの共有やアクセスログ
- クライアント独自、またはクライアントがリサーチ会社を使って実施したユーザーアンケートの実施結果
など
自身で得た情報
- ユーザーインタビュー結果
- 自身で設計したユーザーアンケートの実施結果
- セグメントごとの行動を観察してまとめた資料
- 街中で見聞きした知らない人の会話、行動
- 家族・友人・知人の会話、行動
など
第三者から得た情報
- 書籍・新聞
- ニュース
- 口コミ
- インターネットで公開されている情報
など
【3】信頼できるデータや情報の取得・判断方法
クライアントから提供される「一次情報」は、実際のユーザーの声や行動なので有用性・信頼性ともに高い情報です。
一方、インターネットで公開されている情報には客観性や根拠の不確かなものもあります。インターネットで得られる情報の中で、利用頻度の高い情報や発行元を紹介します。
統計・アンケート調査
- 内閣府公表データ
- 有名なリサーチ会社のアンケート調査結果*
- 専門性の高い企業が実施したアンケート調査結果*
*「PR TIMES」などのプレスリリースで検索して情報を得ることもある
ニュース・トレンド
- 国内の主要新聞サイト
- 有名な報道機関、出版社のサイト
- 利用者数の大規模な口コミサイト(利用者数1,000万人など)
医療・健康に関する調査・分析
- 厚生労働省サイト
- 医学論文
- 医学学会、専門の研究所のサイト
- 医大サイト
上記以外にも、自分が得たい情報の種類によって様々なサイトからデータを入手することがあります。繰り返しになりますが、目的はペルソナの人物像を把握することと効果的なアプローチ方法を検討すること、そのためにきちんとした根拠のある情報が得られれば良いと考えていただければ幸いです。
まとめ
ペルソナ設定は、慣れないうちは時間がかかったり情報を集めたりするのが大変だろうと思います。今回紹介した「3つ」のコツをぜひご活用ください。
【1】どんな情報(要素)を設定するか
【2】人となりの作り込み方・役立つ情報
【3】信頼できるデータや情報の取得・判断方法
「何のためにペルソナを作るのか」という目的に立ち戻ることも大切です。